また不穏に2016.07.08

イギリスのEU離脱ショックで世界的に株価が暴落し、ドル円も一時100円割れというところまで波乱となりましたが、今度はドイツ銀行の経営不安が再びマーケットに広がり始め、加えてイタリアの銀行にも公的資金の資本注入が検討されていると報じられて、改めて不安感が再燃してきました。

この為、特にリスク回避の円高で、ドル円がまた101円割れまで円高が進み、日経平均も6日に大幅安に見舞われました。日本の場合は、どうしてもこのリスク回避の円高により株価が直撃される構造に変わりがなく、苦しい形となっています。

一方で、金相場が大きく値上がりしてきており、これもリスク回避の動きです。前回の当コラムでも解説しましたが、過去20年間ほど見ると、参議院選挙の投票日からその後の1ヵ月間を見ると、過去7回のうち6回は日経平均が値下がりとなっていました。

したがって、とりあえず下げ波乱が収まっても、再び崩れていく方向性が十分に考えられると指摘しておきましたが、今のところその雰囲気が漂って来ています。

円高の直撃もあり、企業業績の下方修正が目立ってきています。アナリストが集計している「リビジョンインデックス」は、このところ低下傾向になっており、業績面からは買いにくい形です。そこに再び海外から悪材料で直撃されると、日本株は最も影響を受けやすいだけに注意が怠れません。

参議院選挙の後は、日銀が月末の金融政策決定会合で追加緩和を実施するかどうかが注目されますが、現状では微妙です。先日のEU離脱ショックで、ドル円が100円を割り込んでも、円売り介入は実施されませんでした。海外からいつまた大きな荒波が押し寄せてくるか分かりませんので、慎重に見ていきましょう。

今後、欧州でまた火が付く場合には、金相場が一段高になっていくことも考えられますので、その点も頭に入れておく必要があります。円高により、国内の金相場はドル建てほどには上がらないハンデを背負っていますが、それでもチャート的にはトレンドが変化してきました。
  
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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