日経平均は今月に入ってから1万9660円台まで急上昇して、改めて上に行きたがっている方向を暗示していましたが、私は日経平均のレバレッジETFには一切買いはお勧めしませんでした。結局今年に入ってから1月5日、3月2日、3月13日と3回、1万9600円台で高値をつけてピタリと頭を押さえられています。
新興市場も今月ひとまず高値をつけて調整場面に入っていました。そこに今週は安倍内閣の支持率が森友問題で急低下してきたのに続き、アメリカでもトランプ大統領の政策が行き詰まりとの不安で、NYダウが21日に大きく下落して今年最大の下げ幅、昨年11月のトランプショック以降で初めて下落率が1%を超えました。完全に25日線を割り込みましたが、これも2月初め以来です。
これを受けて円高・株安が進み、ドル円は2月に111円60銭台でダブル底の形になったのが下に突き破られ110円60銭台まで円高が進み、昨年11月下旬以来の水準になっています。
このように、日経平均には買いの手を出さずに正解でしたが、米株の崩れと円高が急速に進んだことでマーケットを揺さぶっています。少なくともドル円は下に放れたわけですし、NYダウも明らかに高値揉み合いから下に放れました。
前回も改めて注意したように、もともと今年はいつ何が起こるかわからない要注意の年ですから、このように一気に流れが急変しても別におかしなことでもありません。特に日米共に政治に対する不安感は注意を要します。日本株も外国人投資家が売り越しに転じたのは内閣支持率がピークアウトしてからと言えます。
少なくともチャートが壊れたものは速やかに手を引き、決して無理をしないようにしましょう。
結局、引き続き相対的に強さを保っている新興市場に要注目です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。