春の嵐2018.03.02

このところアメリカの株価が大きく値を戻してきていました。NYダウは1月26日の過去最高値から2月9日のザラバの突っ込み安値までの下げ幅に対して、2月27日のザラバ高値で4分の3戻りを達成しています。

更に戻りが早かったのがナスダック指数で、こちらも1月26日の最高値から2月9日のザラバの突っ込み安値までの下げ幅の9割を戻しています。チャートのセオリーからいけば「半値戻りは全値戻り」と言われるようにNYダウが半値戻りを達成し、ナスダック指数に至っては下げ幅の9割を戻しているわけですから、アメリカの株価が再び過去最高値更新に向けて一段高になってもおかしくはないという見方が投資家の間に広がるのは無理もありません。

しかし、2月24日の東京セミナーで解説したようにアメリカの株価は月足で長い下ヒゲを引いて大きく戻したからといって、ぬか喜びは出来ない実例が過去に何度もありました。

また、FRBのパウエル新議長の議会証言でアメリカの金利の先高観が強まり、続いてトランプ大統領の貿易戦争宣言で再びNYダウは崩れました。ドル円もまた105円台に円高です。

一方、日本の株価は日経平均が1月23日のアベノミクス相場の最高値から2月14日のザラバ安値までの下げ幅に対して、2月27日のザラバ高値で約49%戻しました。25日線を1ヵ月ぶりに上回り、ようやくここまで戻してきたわけですが、直近で25日線と75日線がデッドクロスしていました。その後一気に3日間で急落して再び200日線を下回り、2月14日の安値からの上げを帳消しにしている形です。

新興市場は、ジャスダック平均は1月20日の最高値から2月6日の突っ込み安値までの下げ幅に対して2月27日の高値で68%を戻しており、3分の2戻り突破です。こちらは既にいち早く25日線を上回っていましたが、今週は5日線と25日線が3ヵ月ぶりにゴールデンクロスしてきました。底値から9日連騰でこのゴールデンクロスが実現したのは、昨年11月15日の安値を付けた後、7日連騰で5日線と25日線がゴールデンクロスした時と同じパターンです。昨年8月にも同様の形が出ていました。ジャスダック平均の習性からすると、こちらの方が先高期待があります。

しかし円高・株安の春の嵐が東京市場に吹き荒れています。再び崩れてきたので厳重な警戒を必要とします。

※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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