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まだ落ちつかない2018.03.09

私は一貫して株価の戻りに対してはぬか喜びは禁物だと言い続けて来ました。日経平均は2月14日の2万1000円割れで、昨年9月以来の200日線割れとなったところでひとまず反発に転じましたが、2月27日の戻り高値で25日線のところでピタリと頭を押さえられてしまい、再び崩れました。そして2月14日の安値を割り込んでしまいました。再び200日線割れとなったわけですが、これを見ても分かるように波乱含みに変わりなく、全く油断の出来ない状況です。

日経平均の月足チャートを見ると2月に下ヒゲを引いて下げ止まった形でしたが、今月はその下ヒゲの中でまた陰線で下げてきています。私は今回1月の高値からの崩れは2015年8月に崩れた時以来の悪い形だと当初から指摘してきました。2015年8月に月足が大きな陰線で崩れてとりあえず下ヒゲを引きましたが、翌9月にはその下ヒゲの中でまた陰線で下げていき、8月の安値を下回って更に一段安になりました。結局2015年6月の高値から9月の安値まで19・4%値下がりしました。今回は1月の高値から直近の安値までで13・2%の下落率です。月足チャートの形や下げの度合いなど、やはり2015年の崩れの時と同じ形です。したがってまだぬか喜びは出来ないと言い続けてきたとおり、いつまた下げ波乱で急落しても決しておかしくは無いと思います。

市場を取り巻く外部の状況も波乱含みです。朝鮮半島情勢は4月末に南北首脳会談を実施することで韓国と北朝鮮が合意しました。9日にはトランプ大統領が北朝鮮を訪問する方向だとも報じられました。朝鮮半島の問題については『臨時コラム』で解説していますが、これもまたぬか喜びであり、問題が解決して平和になると言いきれるものではありません。

一方、アメリカでは政権の中心部から次々と辞任する人物が出ており、今週は国家経済会議のコーン委員長も辞任すると報じられ、また不穏な空気になっています。このようにいずれにしても火の年である今年はどこで火の手が上がり、燃え上がってもおかしくはありません。

私は日経平均はまだ底打ちしたとは考えていません。とりあえず2万1000円割れで200日線のところで値ごろ感が出ているのは確かですが、本当の意味での大底打ちとは言い難い状況です。

慎重な姿勢を崩さず、引き続き注意深く見ていくとともに、そうした波乱の中でも強さを崩さない銘柄には目を向けていきたいと思います。

※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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