1月から始まった株価の波乱局面はまだ終わったとは言えません。私は一貫してぬか喜びは禁物だと言い続けて来ました。
とはいえ短期的には日米共に株価に変化が出てきました。アメリカの株価はナスダック指数が先頭を切って過去最高値を更新しました。続いてNY株式市場の実勢を示すS&P500指数も2月27日の戻り高値を抜きました。
東京市場もジャスダックグロース指数とマザーズ指数が2月27日の戻り高値を抜き、マザーズ指数は今週5日線と25日線がゴールデンクロスしました。これは1月の最高値以降で初めてです。今のところ日経平均は2月14日と3月5日にそれぞれ2万900円台で安値を付けて止まっており、二点底の形になっています。そして日経平均とTOPIXは1月の最高値以降で初めて5日線と25日線がゴールデンクロスしました。
今週はアメリカでは国務長官の辞任が報じられて、再び波乱含みのムードになりましたが、既にナスダック指数がいち早く過去最高値を更新しており、S&P500指数も一目均衡表で雲の上に抜け出してきました。波乱含みで落ち着かないとはいえ、チャート的・テクニカル的には1月の高値以降で初めての良い変化が出てきたのも事実です。
アメリカの国務長官が辞任したことは、北朝鮮問題でトランプ大統領をはじめとする強硬派が主導権を握っていることを示唆しています。南北首脳会談やトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長のトップ会談など、これから重要な外交日程があります。それらを通過していよいよ軍事攻撃に踏み切るのか、それとも最悪の事態を回避するのか、注意して見ていかなければなりません。米中貿易戦争の問題もあります。
加えて日本でも森友問題で安倍政権への攻撃が強まり、内閣支持率が50%を下回ってきました。国内政治の不安が外国人投資家による日本株売りに更に結びつくのかどうかも注意点です。
とりあえずチャート的・テクニカル的にはようやく良い変化が出て来ました。ひとまず波乱含みの中で年度末、新年度に向けて反発局面が本格化することを期待しつつ見ていきます。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。