日本初のマイナス金利導入へ2016.01.29

1月29日、日銀がマイナス金利導入をサプライズ決定したことで、マーケットの反応に凄まじいものがありました。発表時刻は12時38分でしたが、12時24分に日経電子版で「日銀、マイナス金利導入を議論へ」という報道が流れました。マイナス金利という言葉にかなりインパクトがありましたので、飛ばし記事かと疑う気持ちもありましたが、12時半を回っても日銀から何も出てこないとなると、ちょっともしや・・・と構えて見ていました。

日銀が出した結論は報道通りで、ドル円は118円台から一気に121円台まで上昇し、その後は120円台で落ち着いています。日経平均は一時600円近く上昇、その後埋め戻してマイナス転換する場面もありましたが、為替相場は素直にマイナス金利導入を好感した円安相場になっています。又、10年物長期国債は金利が大きく低下し、一時0・090%を記録して、史上初の0・1%割れとなっています。

市場に甚大なインパクトを与えたマイナス金利は、日銀の発表によると3段階の階層構造になっており、2月16日から預けられる当座預金に対して-0・1%の金利になるということになりました。2月16日以降預けられる当座預金に対し、これまでは中銀に預金することで受け取っていた金利を支払うことになるわけなので、都市銀行を中心に銀行株は広く売られています。日本株についてはこの銀行の経営悪化懸念がインデックスを押し下げる要因にもなりそうですが、ドル円相場はひとまずトレンド転換となりそうです。さらなる上値を追えるかどうかは、このマイナス金利決定を受けた欧米の動きなども勘案して考えなければなりませんが、現状では押し目は拾う目線で注目していたいと思います。

「マイナス金利導入決定」という文字を、日銀会合の結果として見る日が来るとは思いませんでした。日本初の導入ですから、どんな影響や作用があるのか未知数です。あまり決めつけず、教科書通りに捉えずに、しっかり見ていく頭の柔らかさが必要になりそうですね。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。

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