日銀のマイナス金利導入決定のインパクトが剥落してきた金融市場は、結局原油価格がすべてを握っているといった状態でしょうか。マイナス金利の決定については、次第に国民全般への影響が勘案されるような発表が出てきています。大手都市銀行は大手法人等に対して、普通預金口座の口座手数料導入を検討しており、個人の定期預金の金利は引き下げが実施される模様。これは他の都市銀、地銀とも倣う可能性が高いですから、円預金から外貨など外へお金を逃がそうという流れがこれからじわじわと出てくるのではないか・・・という見通しもあり、鈍いからとドル円をスウィングで売り叩くのは不安があります。
また一時的にトレンドが変わったように思えても、原油が崩れればなし崩し的にリスクオフが台頭する動きになりますから、方向感をイメージできないまま次に何が出て来るかを構えているような状況です。
米は利上げ回数の見通しがハト派に変更したと言われているアメリカの1月雇用統計が発表され、翌7日は中国の1月外貨準備高が発表されます。中国からの資金流出懸念がどれだけ高まるのか、あまりに減少が目立つようだと、週明けはまた不安感がリスクオフを誘うかもしれません。
尚、15年末の中国外貨準備は、過去最大の減少で前年比5126億ドルの3兆3300億ドルでした。前月末からは1079億ドル減少しており、この減少幅は過去最大です。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。