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インフレ率、中銀目標を突破も動かず2017.06.16

英総選挙を終えて、ポンド売り目線が依然続いています。5月10日につけた148円の高値から、キレイな右下がりボックスの形が継続しており、選挙を通過して一段安となりました。

英政権はわざわざ前倒しして行った総選挙によって、政権与党の保守党は議席を減らして過半数に届かず、2010年以来のハングパーラメントになりました。選挙を前倒した時には、メイ首相にも過半数は当然で、プラスの議席獲得という勝算があったという事前予想も報じられていましたが、昨年に続き再び「事前予想」を覆す結果になったという皮肉です。イギリスの事前予想、もう全く信用できなくなりそうです。

いずれにしてもメイ首相、及び政権与党に対する信認が薄らいでいることが確認された選挙結果ですから、今後進めるBREXIT交渉がどのようなものになるのか再び不透明感が強まっています。ハードBREXITで信任が得られず、ソフトBREXIT路線を進むとなるのでしょうか。ユーロはそんなに簡単に受け入れるのか疑問ですが・・・。

そんな中13日に発表された英5月CPIは+2・9%まで上昇し、2013年6月以来約4年ぶりの高水準を記録しました。昨年6月のBREXIT投票以降17%値下がりしたポンドと、昨今続いていた石油価格の値上がりが寄与していましたが、直近では再び年初来安値をつけた石油価格の減少と、今回の投票結果による政局不透明感等を踏まえ、材料視されませんでした。BOEは景気支援のためにインフレ2%の目標超過を容認する姿勢を続けています。

尚、15日に開催されたMPCにて政策金利は0・25%で現状維持が決定されましたが、この決定に対し、3名の委員(フォーブス、マカファーティー、ソーンダース委員)が利上げの支持を表明するというサプライズで市場はポンド買いとなりました。3名という数字は、2007年以降で最も利上げ決定に近い結果です。景気減速の兆候が見える中、予想以上にタカ派なスタンスが見えたことで、ポンドに対して様々な思惑が浮上しそうな地合いになってきました。昨今のポンドは、何かと分かりにくい通貨という印象がちょっと強まりました。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。

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