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動きの鈍いドルをどう見ておくか2017.11.17

このところ、日本株の調整色が強まっています。9月末から11月初旬にかけて、歴史的な記録を更新する強さを見せた後だけに当然の動きだと思いますが、この上昇にかけて為替が全く連動性を見せなかったことで、今回も特段為替の下落要因になっていません。

IMM通貨先物の直近の数値をみると、円ショートが12万枚で2014年1月以来の高水準となり、円売りが続いていることが確認されました。その他、ドルが主要6通貨に対して4ヵ月ぶりの売り越しとなっており、ドル売り、円売り地合いとなっている様相です。確かにドルストレートをみるとドルが冴えません。これは、FRB人事の決定により来年の利上げ回数がこれまで通りの年3回になるだろうという思惑で、事前に合ったタカ派への期待が剥落したことが売りを呼んでいると思われ、加えて12月にはまとめたいとしている税制改革問題が政府の意向に反して難航している様子から、引き続きドルが買われ辛い状況になっているようです。もうしばらくこの状況が続きそうですから、今年は大きく見て上が114円、下が108円のレンジで留まって小幅のボラティリティで1年を終える可能性が強そうですね。

目線は来年を向いて行きたいと思います。まだFOMC内部の人事もあるので見通しは全く見えませんが、トランプ大統領のアジア歴訪を見る限り、北朝鮮への攻撃の可能性が強まったと思える面もかなりありました。この点が火を噴くようだと一時的なドル売りからのドル買いという流れが地政学的リスク(こと戦争における)のドルの反応ですから、この流れは頭に入れておきたいです。

そして、結局材料難になれば、金利が上がる通貨は強いという点があります。今年も12月に追加利上げの可能性が濃厚で、パウエル新体制も今の政策を引き継ぐと思われますから、今は先行したタカ派期待が剥落しましたが、改めて金利が上がるという流れは見直されるのではないでしょうか。

ドル円のボリンジャーバンドをみると、現在センターライン(21日線)をやや下に割れて推移しています。-1σまで下落してバンドウォークが見られるようだと、スイング分の買いを少し入れておきたいと思って見ています。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。

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