ギリシャ問題に日替わり、週替わりで振り回されていますが、7月以降は再びアメリカの利上げ時期が相場のカギになってきそうです。
6月24日、パウエルFRB理事は「自身の見通しで、今年の利上げは9月と12月の2回と見る。」「9月利上げの確率は五分五分」「利上げのタイミングより、その後の利上げのペースがより重要」と発言し、ドル買いに勢いがついています。金融政策を決定するFOMCは7月にも開催されますが(28-29日)、この時は米経済に対する見方や利上げのペースについての言及が焦点となり、注目の9月16-17日のFOMCに向けて相場が作られていくと思われます。
2004年にアメリカが利上げを決定した際は、年初から利上げ決定の6月末までの半年間、市場は利上げ開始時期を思惑として、ドル円が上下で11円(114円―103円)もの値動きとなりました。利上げ開始後はじりじりとドル円が上昇したものの、米株の下落に引っ張られる形で年後半にかけて値を消し、101円81銭まで下落して、1999年の安値101円台に顔合わせして、長期でダブル底の形を作りました。その後は継続的な利上げを背景に米経済への安心感がドル上昇を押し上げてドル円相場は上昇していきました。この時の継続的な利上げ幅は0・25%で、会合ごとに利上げ決定が見られましたが、今回の利上げはどのような利上げ幅、期間になるのかが焦点になっていくと思われます。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。