日経平均は89年末の終値での史上最高値3万8915円からの下げ幅の半値戻りを突破して、今月9日に2万3300円台まで上昇しましたが、ここでひとまずバイイングクライマックスの形となり、一転、急反落の大波乱に見舞われました。
9月以降の上昇局面で値上がりを主導してきた外国人投資家に対して、多くの個人投資家はついてこられず、逆張りで売りに向かっていた向きが多く、それが先週はたまらずに個人投資家が買い戻して損切りするだけでなく、今更のように飛びつき買いをしていったところが目先の高値となりました。
まだ相場が大天井を打つというような状況ではありませんでしたが、さすがに行き過ぎ感が出た形です。
とはいえ9月の底値1万9200円台から2万3300円台までほとんど一本調子に値上がりを続けて、この間日足チャートでは一度も25日線にタッチしないという強さを見せつけていました。16日に25日線まで下げて急反発に転じ、直近の下げ幅の半値戻りをクリアしました。
次の目安としておいた2万2700円台から2万2900円台のゾーンと、史上最高値からの下げ幅の半値戻りを達成しての今回の急落ですから、ここはひと休みで当然の状況です。
私も10月のセミナーで、11月は下げ波乱が起こる可能性があるものの、それが年末年始に向けての買い場を提供することになるだろうとお話をしておきました。形としてはセミナーでお話をしておいた通りであり、過度に不安視する必要はないでしょう。2015年の高値を抜いただけでも大変なことであり、ようやく押し目らしい押し目の場面が到来したということです。そのように冷静に見ておきましょう。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。