日本の株価は4-6月は戻り歩調と見ていましたが、日経平均やTOPIXは今月に入ってから順調に値上がりしていました。
アメリカの株価も先頭を切って小型株で構成されるラッセル2000指数が過去最高値を更新しました。今週はナスダック指数の週足MACDがゴールデンクロスしています。
前回の当コラムでお伝えしておいたように、先週はNYダウ、S&P500指数、ナスダック指数の3つが揃って5週線と13週線がゴールデンクロスしました。この3つの指数のゴールデンクロスが重なったのは一昨年11月以来です。
しかしその後、週末には米朝首脳会談中止が発表されたことで一時的な下げ波乱に見舞われました。アメリカの株価は底堅さを見せて崩れたとは言えませんが、日経平均は5月21日の高値2万3050円のレベルから25日には2万2310円台まで急落して、3月26日の底打ち以降で初めて25日線を下回り、5日線と10日線がデッドクロス、MACDもデッドクロスしました。
そして週足チャートでは先週まで8週連続で値上がりした後の最高値の所で今週は陰線つつみ足になっています。これはTOPIXも同じ形であり、約2ヵ月に渡る上昇局面がひとまず終わり、調整局面に入ったことを示しています。
幸い、アメリカの株価が底堅さを見せていますが、日本株の場合にはどうしてもリスク回避の円高で足を引っ張られる面がありますので致し方ありません。朝鮮半島情勢が再び不安材料としてクローズアップされてきたほか、トルコの通貨危機がマレーシアなどにも波及して新興国の経済不安が圧し掛かってきています。2ヵ月値上がりが続けばある程度下げるのは当然ですから、冷静に見ている場面です。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。