米中貿易戦争はひとまず関税引き上げ競争が終わった形ですが、引き続きファーウェイを巡るアメリカ側の圧力は強まる一方で、問題の解決に繋がる道筋は全く見えていません。
中国の上海総合指数は今月に入ってから2838ポイントの水準で二点底の形を作っており、下値抵抗ラインが日足チャートで浮き彫りになっています。おそらく株価の買い支えを行なっているのではないかと思われます。しかし上海市場より実勢を示すと見られる香港のハンセン指数は今週に入ってからも4月の最高値以降で一番の安値を更新しており、下げ止まってはいません。
直近ではNYダウは15日線と50日線がデッドクロスしました。これは昨年12月の底打ち以降で初めてです。前回は昨年10月の天井打ちのところから下げた場面でデッドクロスしました。それ以来7ヵ月ぶりです。
S&P500指数の今月の月足は最高値での陰線つつみ足になりました。これは昨年10月の天井打ちの時と同じです。
日経平均も同じく15日線と50日線がデッドクロスしましたが、これもNYダウと同じです。上海総合指数は25日線と50日線がデッドクロスしました。これももちろん1月の底打ち以降で初めてです。
このように見てくると、今月に入ってからの世界的な株価の下げで、日米中いずれも今年に入ってからの悪い形を作りました。昨年10月の天井打ちの後と同じと見るのであれば戻り売りであり、警戒を怠ることが出来ません。ある程度下げれば落ち着きを取り戻して反発に転じるのは相場のリズムとして不思議ではないので、それはそれとして冷静に見ていましょう。
日本の場合は夏の参議院選挙に向けて、いよいよ消費税増税問題をめぐり重要な場面を迎えます。
また週刊レポートでは4月から注目REITのコーナーを設けて皆様の参考になるべくREITにも目を向けて見ていますが、今月に入ってからの下げ波乱に対してREITは強さを見せており、週刊レポートでご紹介した阪急阪神リート投資法人(8977)、MidCity投資法人(3227)、日本リート投資法人(3296)の3銘柄はいずれも逆行高を見せています。引き続き参考にして下さい。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから追記・抜粋したものになります。