まるでトランポリンのように日米の株価が上下に振り回されています。ニュース一つで良くも悪くも流れが激変してしまう相場ですが、私は今月6日に日経平均先物が一時2万円の大台を割り込み、その日がひとまず逆張り指標から見て突っ込み買いのチャンスと判断し、メールとFAX会員、有料情報では6日に某株に買い出動して頂きました。今のところ日経平均はその8月6日のザラバ安値2万110円が最安値となっています。
今週も香港の政情不安、ドイツの非常に悪い経済指標の発表などを受けて株価が急反落する場面がありましたが、トランプ政権が中国に対する輸入品の関税について一部品目の適用を延期すると発表したことからまた急反発。
ところが米2年債と10年債の利回り逆転という逆イールドが12年ぶりに発生したため、NYダウも14日に今年最大の800ドル安と大きく下げました。今月に入ってからの世界的な株価の下げ波乱により、政策的な対応を促す形が次第にはっきりしてくると見ています。
9月はFRBの利下げだけでなく、日銀も何らかの形で動きを見せる可能性が次第に大きくなるのではないかと思われます。10月の消費税増税を前に円高圧力が強まるのを手をこまねいて見ているわけにはいかないでしょう。
ドル円は今週105円を割りそうなところまで円高が進みました。昨年4月以来の水準ですが、株価も日経平均よりも相場の実勢を示すTOPIXは8月6日に1462ポイントの安値をつけ、終値では13日に1486の安値となりました。これは終値としては1月4日大発会の1471以来の水準に下落しています。非常に危ういところまで追い込まれてきているのは確かです。
日経平均はアベノミクス相場が始まって以降まだ60ヵ月線を一度も割り込んでいませんが、実はTOPIXは昨年12月の暴落、今年5月の急落、そして今月と既に3回にわたり60ヵ月線を割り込む下げを繰り返しています。そして今月はついに5ヵ月線と60ヵ月線がデッドクロスしてきました。これはアベノミクス相場が始まって以降で初めてです。
日経平均よりも日本の株価の現実を示すTOPIXはこのように非常に悪い形になっています。したがって、現状では戻り売りという大きな捉え方に変わりありません。8月相場での月初からの崩れでその事が明確に示されたと思います。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。