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短期的には逆張りの視点も必要2020.02.28

 新型コロナウイルスの騒ぎは欧米に飛び火して一気に不安感が高まる形になり、今週に入ってからだけでNYダウはたった3日間で終値ベースで2034ドルも急落しました。欧州の株価も総崩れになり、もはや中国や日本の問題から世界の問題へと、日本の3連休を挟んであっという間に不安が広がり状況が急変しました。

 NYダウはこの下げで200日線を下回り、ナスダック指数やSP500指数は75日線を下回りました。2018年12月の大底からここまでを振り返ると、NYダウの200日線割れとナスダック&SP500の75日線割れは、その都度押し目買いのチャンスになってきました。

 また今週は米30年債利回りとSP500の配当利回りが逆転する状況になってきました。前回2016年にこの状況になってきて米株は底打ちしましたし、その前はリーマンショックの大底局面でしたから、これは逆張り派にとっては注目すべき現象です。

 世界的な経済不安が広がることは、各国の経済対策を促すことにもなります。日本の場合も今週は「新たな補正予算で経済対策を検討」と報じられました。金融緩和や財政出動など各国の取り組みに要注目です。

 また株価の急落場面では冷静に逆張り指標をにらむ必要があります。東証1部の騰落レシオは27日にザラ場で60割れまで低下してきました。これはさすがに異常な数値です。また日経平均の25日線とのカイリ率は27日のザラ場段階でマイナス5%台に拡大してきました。通常はマイナス4~5%台に拡大してくると短期的に買い場になりやすい習性があります。そして日経平均のRCIも27日時点でマイナス90.8に低下しています。これはプラス100とマイナス100の間を上下します。このように逆張り指標を見ると短期的にはそろそろ買い場になる可能性を示唆しています。

 ただし、ここから戻り局面に転じても、それが今度は戻り売りの形を作りに行くと思われます。ちょうど前回の世界的な株価暴落が起きた2018年10-12月の時と同じで、今の状況は2018年10月に株価が崩れ始めた直後の場面と同じと思います。したがって戻り局面に転じても、それが今度は戻り売りの形を作り、今後の成り行きによっては2018年12月の暴落のようなことになる恐れはあるので、その点は頭に入れておかなければなりません。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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