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セルインメイは亡霊のようなもの2020.05.15

 前号ではナスダックやマザーズの強さに注目として、いわゆるセルインメイということは考えすぎない方がいいとコメントしました。 その後もナスダック指数は特に強く、終値では5月11日に9192まで上昇して、2月の過去最高値から3月の底値までの下げ幅の78%を戻しました。「半値戻りは全値戻り」という有名な相場格言がありますが、半値どころかナスダックは4分の3も戻したわけですから強さが目立ちます。

 GAFA(ガーファ)と言われるひと握りの株の値上がりが指数を押し上げています。GAFAはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4銘柄ですが、これにマイクロソフトを加えて「GAFAプラスM」と言われます。

 こうしたハイテク、IT系の銘柄が強く、これに半導体関連の株価の値上りが特に際立っています。

 前号では「セルインメイは考えすぎないように」と書きましたが、実際セルインメイはあまりあてになりません。この言葉は米国株に当てはまるもので、「5月に株を売って、9月まで戻るな」というものです。しかし昨年まで10年間だけ見ても、例えば5月に売ったら9月まで戻るなということで、5月末と8月末のNYダウの終値を比較すると、2016年から昨年まで4年連続で上昇しています。つまり9月まで待っていたら値上がりを逃してしまう形になっているのです。

 5月だけを見ても4月末の終値と5月末の終値を比較すると、最近10年間で5%以上の下落率はわずか3回しかありません。逆に6回は上昇していますから、5月だけをとっても必ずしも米国の株価は下げてはいません。したがってセルインメイというのは亡霊のようなもので「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言われるように、実際はほとんど恐れるようなものではないことが分かります。たまたま5月が下げる時もあるという程度ですから、経験則として重視するようなものではなく。私もセルインメイだからということで相場を観測するようなコメントは特にしていません。

 それよりも株価が上げてきても依然として弱気、慎重な見方の投資家や市場関係者が多く、新型コロナウイルスの感染拡大の第二波を警戒する向きが多いようです。

 しかし3月の総悲観の中で株価は底打ちして、その後は二番底を警戒するうちに株価はさらに値上がりしてきて、弱気派は裏目に出ています。そして今度は感染第二波を警戒というように結局何か下がる理由を見つけてきては意地を張っているように見えます。そうした弱気がまだまだ多いうちは株価の上昇基調は大きくは崩れないでしょう。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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