米国株は今のところNYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って過去最高値を更新した直後であり、FOMCも波乱なく通過しました。それよりも中国の株価が暴落状態になり、香港のハンセン指数は実に昨年11月以来の安値まで一気に崩れました。これは中国政府が教育産業を突然非営利化すると発表したためで、IT,教育と相次いで規制強化ということで、これでは中国株に安心して投資出来ないということで米ファンドから中国株に大量の投げ売りが出たためとみられます。この中国株の暴落でチャイナショックになるのではないかと心配されましたが、そのようなことにはなっていません。
前回も「下げ波乱にはなったものの、米国の株価が決定的に崩れたと言えるわけではなく、もう少し下げる可能性はあるが、昨年3月の大底以降での短期的な調整の域を出ない動きだ。」と書きましたが、米株の上昇基調には変わりありません。
日本国内でのワクチン接種は8000万回を超えて、ものすごいペースで伸びており、高齢者の患者も急速に減っています。新規感染者数は急増していますが、死者や重症者数は少なく抑えられており、ワクチンの効果は確実に表れています。東京五輪も始まりましたが、日本選手の金メダルはあっという間に二桁でトップになる大活躍を見せています。人々のムードも五輪に夢中になりメダル獲得に沸いており、たとえ無観客でも始まれば日本選手の活躍で人々のムードも変わることが期待されると書いたとおりです。
ただ、新規感染者数が急増しているので、東京都に続いて神奈川、埼玉、千葉の3県にも緊急事態宣言を発出するという方向です。コロナ禍が日本株に重しであることに変わりありません。
日経平均は200日線を下回りましたが、TOPIXは200日線を十分に上回っており、東証2部指数は今週新高値になり、東証1部の小型株指数やジャスダック平均も高値のレベルです。チャートが壊れたわけではありません。とはいえ、TOPIXの週足チャートでは先週4週線と26週線がデッドクロスしてきました。これは昨年3月の底打ち以降で初めてです。日本株はなかなかスッキリしないので、引き続き注意は必要です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。