トップページ > 株式投資コラム > 相場観 > そろそろ目先は調整局面入りか

そろそろ目先は調整局面入りか2021.09.17

 菅首相が退陣を表明したことで劇的に流れが変わった日本株は、今週も強さを見せました。日経平均は8月31日から9月15日までで、なんと12日連続陽線で1988年2月の13日連続以来33年7ヵ月ぶりの連続陽線記録となっています。TOPIXに続いて日経平均もついに31年ぶりの高値になりました。33年前というのは87年のブラックマンデーの暴落後、日本株がバブル相場の後半戦に入ったところで、それからさらに89年12月の史上最高値まで値上がりが続きました。

 日本株の実勢を示すTOPIXは、今月初めに4週線と26週線がゴールデンクロスしましたが、これは昨年6月にゴールデンクロスして以来1年3ヵ月ぶりです。続いて先週は週足のMACDがゴールデンクロスしましたが、こちらは昨年5月と11月にゴールデンクロスして、いずれもその後一段高になっていきました。TOPIXの週足は今週で4本連続陽線で、8月の安値から今週の高値までで243ポイント上昇。上昇率は12.9%です。これと同じパターンだったのが昨年11月相場で、この時も週足は4本連続陽線で、10月下旬の安値から週足4本目の高値までで215ポイント上昇。上昇率は13.6%でしたから、今回と全く同じです。

 このように急激に値上がりすると逆張り指標の過熱感が取りざたされてくるのがいつものことです。そこで代表的な逆張り指標である東証1部の騰落レシオを見ると、今週14日に149まで上昇して今年最高となりました。当然目先的な警戒感が出るのは不思議ではありませんが、昨年コロナ暴落で3月に大底を打って急上昇に転じた直後、騰落レシオは昨年6月2日に150に達しましたが、日経平均はその日の終値2万2325円から6月9日の高値2万3185円までさらに860円値上がりしました。

 また週足チャートで26週線とのカイリ率を見ると今週は6.1%まで拡大しています。昨年6月初めのピークでは6.5%まで拡大して調整局面に入りました。しかし今回と同じ急上昇相場だった昨年11月は14.5%まで拡大しましたし、今年2月に最高値をつけた時も16.4%まで拡大しました。6%台はたいしたことはありません。

 さすがにそろそろスピード調整の場面に入ってもおかしくは無いと思いますが、来週はFOMCがあり、20日にかねてから資金ショートが噂されていた中国の恒大集団の債券利払い日で、デフォルトになり金融不安が高まるかもしれないところです。中国バブルの崩壊が日本株にも影響を与える可能性はあるので、急激に上昇した直後だけに調整安の口実にされるかもしれませんから注意しておきましょう。

 とはいえ日本株はバブル相場以来の大きな上昇相場のトレンドに入ったとみています。「ひと休み」と「終わり」は意味が違うということです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

セミナーのお知らせ
セミナーの様子
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら