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岸田政権は河野政権よりはまし2021.10.01

 前々回は「そろそろ目先は調整局面入りか」と書いて、中国の不動産バブル崩壊の問題と絡めて注意しましたが、同時に「大きな上昇相場の中での短期的な調整場面である」との考えも示しておきました。日経平均は9月14日に最高値をつけて調整場面に入りましたが、その後いったん戻したものの今週は再び急落しました。

 注目の自民党総裁選は岸田氏が新総裁に決まり、岸田政権が誕生することになりました。私は9月11日の東京セミナーで、「政策面で最高なのは高市氏、最悪なのは河野氏。岸田氏はニュートラル」という見方を示しておきました。総裁選で河野氏が負けたのは株式市場や日本経済にとって最善のことでした。もし河野政権なら悪夢の民主党政権の再現になっていたでしょう。

 岸田氏は河野氏よりははるかにましですが、それでも高市氏と決定的に違うのは、経済対策はやるものの基本はあくまでも緊縮、財政再建路線の人物であるということです。したがって年末にかけて数十兆円規模の経済対策をまとめるとしているものの、おそらく見かけだけで中身は薄いものになるでしょう。まして元々決断力に欠ける線が細い人柄ですから、言う事が変わる可能性はあります。

 新政権発足でどのような閣僚と党役員の人事を行うかがまだ分かりませんが、株式市場としては高市政権ほどには期待を持てません。とはいえ総裁選で高市氏が勝敗を決めるキャスティングボードを握りましたし、高市氏の後ろに安倍前首相がいますので河野氏よりは株式市場や日本経済にとって好ましい政策をとるでしょう。これから決まる新政権の閣僚や党役員の顔ぶれによっては期待が高まるかもしれません。まずはお手並み拝見です。

 米国株も直近で急反発して、NYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って9月の最高値からの下げ幅の半値戻りを突破していましたが、今週は一気に急落してしまい、特にナスダック指数は終値で8月19日以来の安値になってしまいました。28日の終値で75日線を割りこみましたが、これも4ヵ月ぶりです。そしてSP500指数の月足は今月史上最高値で陰線包み足になりました。ずっと上げてきて高値のところでの月足陰線包み足は例が少なく、昨年は2月にナスダック指数が当時としての史上最高値で陰線包み足になり、コロナ暴落に突入しました。結局米株は前回も書いたように今月の下げでけっこうなヒビが入ったので、それなりの調整を覚悟する必要があるということです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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