日経平均は今週9日に2万4681円まで下げてきました。昨年12月18日の東京セミナーで今年の日経平均の安値の目安について、2万3400円台と発表しました。当時は2万8500円台でしたから、早見の話を聴いたり講義録を読んでも「まさかそこまでは下がらないだろう」と思った方も多かったと思います。しかし今週は12月セミナー当時から3,900円ほども下げてしまい、早見が設定した今年の安値の目安にあと1,200~1,300円ほどに近づいてきています。1月27日にも840円安という急落がありましたが、何かショック安的なことでもあれば1日で届いてしまう位置です。
ちょうど2年前の2020年3月に、全世界の株価はコロナショックで大暴落になりました。それを受けて証券界は、このまま世界恐慌になるのではないかと総悲観になりました。
しかし早見は2020年3月14日の東京セミナーで「この暴落は世界恐慌になるようなものではなく、1987年のブラックマンデーと同じで、短期間で終わる。」と明言しました。続いて翌4月5日のさくらインベストセミナーで、「第二次大戦が始まった1939年から終戦の1945年までのNYダウを振り返ると、大底を打ったのは終戦のはるか前の1942年4月で、ちょうど戦争の真っただ中で、味方にも大損害が出ている最中に株価は大底を打った。」という事実を話して「戦争が終ってから底打ちするのではない。したがってコロナとの戦争も同じだ。」と指摘しました。そして思った通りコロナ暴落が大底を打ったのは2020年3月ですから、まさしく早見が指摘した通りでした。
前号ではロシアが核兵器を使ったり、ウクライナの原発で大事故が起こらない限り、ウクライナ戦争は織り込んだという見方を書きましたが、その後ロシア軍がウクライナの原発を攻撃という禁じ手を使ったので先週後半から今週にかけては株価が一段安になりました。これは当然です。
しかし基本的には2020年3月のコロナ暴落の時と同じです。多くの投資家や市場関係者が世界恐慌になるかもしれないと総悲観になったところが株価の大底打ちでした。第二次大戦の時と同じく今回もウクライナの戦争がまだ終わらないうちに株価は底打ちするとみています。大多数の投資家や市場関係者が戦争に気を取られている間に次の展開を考えていきましょう。ただし、引き続きウクライナの原発で大事故が起きたような場合は、その限りではありません。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。