前号では株価全体について「売り飽き気分が出てきた」という見方を書いておきました。日経平均は3月9日に2万4681円のザラ場最安値を付けましたが、今週は17日前場に2万6702円まで戻してきており、MACDがゴールデンクロスするなど底打ち反転の形になってきたので、やはり売り飽き気分が出たとみたところで下げ止まった形です。
米株もナスダック指数の日足チャートは、2月24日と3月14日のザラ場安値でダブル底の形を作ってきています。NYダウとSP500指数は2月24日の安値を下回らずに踏み止まり、底割れは避けられています。東京市場でもマザーズ指数とジャスダックのグロース株指数は2月24日の最安値を下回らずに踏み止まりました。
前回も書きましたが、重要なことなので再度書いておきます。早見は2020年3月14日の東京セミナーで「この暴落は世界恐慌になるようなものではなく、1987年のブラックマンデーと同じで、短期間で終わる。」と明言しました。続いて翌4月5日のさくらインベストセミナーで、「第二次大戦が始まった1939年から終戦の1945年までのNYダウを振り返ると、大底を打ったのは終戦のはるか前の1942年4月で、ちょうど戦争の真っただ中で、味方にも大損害が出ている最中に株価は大底を打った。」という事実を話して、「戦争が終ってから底打ちするのではない。したがってコロナとの戦争も同じだ。」と指摘しました。そして思った通りコロナ暴落が大底を打ったのは2020年3月ですから、まさしく早見が指摘した通りでした。
今回のウクライナでの戦争も、基本的には2020年3月のコロナ暴落の大底打ちや、第二次大戦の時のNYダウの大底打ちと同じ見方であるとの見解を、先週木曜日朝のラジオ番組でも話しておきました。多くの投資家や市場関係者が世界恐慌になるかもしれないと総悲観になったところが株価の大底打ちでした。
NYの原油相場は最高値からあっという間に大暴落状態になり、投機色が激しかったニッケル相場なども崩れています。ウクライナ戦争を背景に買い人気を集めていた資源株は大きな変調を見せています。
一方、国内では「まんぼう」がついに延長されずに全面解除されることになりました。ようやく経済回復に舵を切る流れになってきましたが、これにより鉄道、航空、旅行関連をはじめ外食、イベント、結婚式など個人消費関連などに見直し買いが増えていくと思われます。ウクライナの戦争、米利上げ、ロシアのデフォルトを日米の株式市場は織り込んだ動きになってきました。前号の東京海上もそうでしたが、売られてきて底値水準にある株の出直りを発掘していきましょう。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。