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日本株の強さが戻ってきた2022.06.03

 前回は「日本株に打たれ強さ」と書きました。このところ米株が下げても日本株は日経平均やTOPIXが3月の安値を下回らずに踏み止まり、堅調な動きを見せて、明らかに米株とは違う強さでした。

 
 その米株も先週から切り返しに転じて、先週は9週間ぶりに値上がりとなりました。その前に世界恐慌の時以来90年ぶりの8週連続値下がりという一生に一度目にすることが出来るかどうかという記録を作ったわけですが、史上最悪タイ記録の9週連続下げという99年ぶりの事態になる事は回避しました。ナスダック指数の月足チャートもやはり36ヵ月線を割り込んで下げ止まりましたが、月末終値では36ヵ月線を上回りましたので、リーマンショックの大底以降繰り返されてきたパターンです。
 
 今回の大きな下げはリーマンショックの前の2007年の天井打ちの時以来です。したがって戻り場面を交えながらまた下げていく形だとみています。今はその戻り場面に入ったという事です。2007年の天井打ちの後も,いったん大きく下げてから戻り場面に入り、なんと最高値からの下げ幅の半値戻りを突破したにも関わらず、そこからまた下げに転じてリーマンショックの暴落に突入していきました。「半値戻りは全値戻り」というセオリーが破られたのです。こういうことが起きるのが相場の世界です。前号でも「短期的な反発は当然ある」と書いておきました。
 
 日本株は今週日経平均に続いてTOPIXも10日線と75日線がゴールデンクロスしてきました。そしてTOPIXは4月5日以来の高値まで戻してきています。日経平均の週足チャートでは昨年9月の最高値と今年1月と3月の戻り高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを突破してブレイクアウトの形になりました。
 
 元々6月相場は日本株は上がりやすい季節性があり、2000年から昨年までを見ると6月の日経平均は14勝8敗で勝率63.6%と高くなっています。最近10年間でも6勝4敗です。6月から7月にかけては配当金の再投資や夏のボーナスなど株買い需要が出ますので、今年も基本的にはそれに沿った動きが期待されます。その季節を前に5月相場で打たれ強さを見せたわけです。
 
 7月の参議院選挙を前に、政府や与党から政策テーマが次々に出てきています。防衛や原子力、サイバーセキュリテイ、観光盛り上げなどがそうですが、株式市場も引き続きそうした政策テーマに目を向けて、「国策に売り無し」の観点は重要です。加えて好業績の小型株も個別に見ていきましょう。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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