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リーマンショック以来の危機2022.09.16

 前々回「最も警戒すべき秋相場に入った」とタイトルをつけました。そして前回のタイトルは「米株はリーマンショックの時以来の悪い形の下げ」と明記しました。先週のラジオ番組でも「米株は逆張り指標のRSIを見ると1月と6月の底打ちの時と同じで、値ごろ感で短期的に戻る場面に来ている。大きなとらえ方とは別の短期的な戻りだ」とハッキリ話しました。先週末の東京セミナーでも、その点について改めて解説して注意をしました。

 終値ベースではNYダウは8月16日の高値から9月6日までで合計3,007ドルも下げてしまいました。そこから4日連騰で9月12日の終値まで1,236ドル急反発したわけですが、今週は6月と同じくまたCPIショック再現となり、13日に一気に1276ドル安と大きく下げて、4日間の上げ幅をたった1日で帳消しにしてしまいました。この13日の1,276ドル安の下げ幅は今年最大で、2020年6月11日以来2年3ヵ月ぶりの大きな下げです。
 
 着実に不気味な現実が我々の目の前で起きているので、今月のバンクオブアメリカの調査では、投資家の現金比率はリーマンショックの時を上回り、2001年10月の米同時テロの時以来の高水準で、弱気が傾き過ぎている状況で、投資家が身構えている事を示しています。
 
 SP500指数の月足チャートでは、今月6ヵ月線と24ヵ月線がデッドクロスしてきました。これは2016年にゴールデンクロスして以降で初めてです。さらにナスダック指数の月足チャートでは今月6ヵ月線と36ヵ月線がデッドクロスしてしまいました。これは遡ると実にリーマンショックの大底であった2009年3月以降で初めてのデッドクロスであることもすでに指摘しました。
 
 今週発表されたCPIを受けて、来週21日のFOMCでは0.75%の利上げは当然として、1%の利上げの可能性すら観測される状況になってきました。FRBはどんなに景気が悪くなろうと株価が下がろうと、とにかくインフレを押さえ込むために金利の引き上げを続けていくという強い意志を示して、株価が下げることを容認したわけですから、前回も書いたように一時的に株価が反発することはあっても、戻り売りという大きな形に変わりありません。 歴史を振り返ると、世界恐慌に突入した1929年10月の「暗黒の木曜日」、1987年10月のブラックマンデー、2008年10月のリーマンショックと歴史に残る米株の3大暴落はいずれも10月に起きています。セミナーなどでも9月以降の秋相場は状況が変わると言い続けてきましたが、最も警戒すべき秋相場、その中でも最も警戒すべき10月を迎えます。十分に注意して見ていきましょう。
 

※このコラムは今週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。

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