前回も書いたように、米株はNYダウが日足チャートで9月と10月の安値でダブル底の形となり、月足チャートは今年の最安値で大陽線つつみ足での切り返しで底打ちシグナルとなりました。10月の月間での上昇率は1976年1月以来実に46年9ヵ月ぶりの大きな値上がりとなりました。
さらに前回指摘したのは、NYダウの週足チャートで40週線を突破したことです。今年に入ってから40週線を突破したのは4回目です。過去3回は一時的に40週線を突破しても、その後押し戻されて週末終値では毎回40週線を下回り、いずれも戻り売りの場面になっていました。しかし今回は今年初めて週末終値で40週線を上回って終わり、今までとは違う形になったので、10月相場で起きたNYダウの変化は軽く見るわけにはいかないことを示していると書きました。
思った通り今週NYダウはCPI発表後の大幅高で終値としては8月18日以来の高値になりました。米株指数が揃って強いわけではなく、NYダウが突出して強い動きになっていますが、とにかく今回NYダウが40週線を突破したのは、これまでとは違う今年初めての形だと強い変化を指摘した通りとなりました。
戻りが続きそうならそれに乗って、行けるところまでついていけばいいだけです。あえて逆らう必要はありません。
株式市場はFOMCで0.75%利上げを消化しました。中間選挙では共和党が優勢な結果となりましたが、期待していたほどには大きな勝利とまではいかず、決定的な好感度を高めるまでにはいかなかったと思います。米CPI(消費者物価指数)も市場予想を大きく裏切る弱い数字でした。
日本株は元々米株と違い崩れていたわけではありません。日経平均とTOPIXは3月に今年の最安値を付けましたが、その後は共に6月、10月と安値を切り上げています。大きなとらえ方としては3月以降はボックス相場と言っても良い形です。これを下に放れずに推移していますから、ならば上に放れる可能性を持っています。マザーズ指数もすでに今年初めて25日線と200日線がゴールデンクロスしていました。月足チャートでも今月12ヵ月線を突破してきましたが、これも今年初めてです。引き続きチャート的には強い形を保っています。前回も書いたように強い流れには素直に乗るのが基本です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。