相場観

 前回「短期的な調整局面は常にあることだから、TOPIXが9ヵ月連続で上昇してくれば、当然下げる場面があっても何もおかしくない。米株の下げがそうした自然なリズムを意識させる口実になる可能性は十分にある。」と書いておきました。
 
 その米株は、実勢を示すSP500指数とナスダック指数が、共に月足チャートで8月の下ヒゲを帳消しにして底割れとなりました。したがって目先的な反発はあっても戻り売りの形です。利上げが更に続く見通しで米金利が非常に問題のある水準まで上昇してきており、米株が大きな崩れに発展する可能性はあります。加えて恒例の米政府機関閉鎖問題も市場にのしかかっており、米株の地合いが悪く、日本株も米株の下げに足を引っ張られる可能性が大きく、それに対する抵抗力を試される局面と言えます。
 今週は米国ではFOMC、日本は日銀の金融政策決定会合と日米の金融政策が最大の焦点でしたが、FOMCは市場の予想通り利上げが見送りとなりました。しかしFRBのパウエル議長は「米経済のソフトランディングはメインシナリオではない」と発言したことで、年内にまた1回追加利上げが実施される可能性が大きく意識されることになりました。このFOMCの結果を受けて米金利は更に上昇して、ドル円は昨年11月4日以来の148円46銭まで円安が進んでいます。米株はナスダック指数やSP500指数が一段と下げる展開になりました。
 TOPIXが33年ぶりの高値になってから反落しましたが、チャートはまったく壊れていません。前回も書いたように、TOPIXの月足チャートは、1月の安値から今月で9本連続陽線です。これは2012年8月から13年4月までの9本連続陽線以来。つまりアベノミクス相場のスタートの時以来です。またTOPIXはこのままだと9ヵ月連続上昇となります。これは2005年5月から06年1月までの9ヵ月連続以来の記録になります。この時はちょうど2003年の大底から始まった小泉郵政改革ミニバブル相場でした。
 先々週末の当コーナーのタイトルは「強い変化が出てきた」として、ジャクソンホール会合に向けての調整安から、再び上昇に向かう気配を指摘しました。続いて先週末の当コーナーのタイトルは「弱気派が飛んで火に入る夏の虫」でした。調整完了から再び株価の上昇本格化を指摘したわけです。その読み通り日米の株価は上げてきており、日本株は日経平均に先駆けてTOPIXがバブル崩壊後の最高値を更新して33年ぶりの高値になりました。
 私は7月29日のさくらインベスト福岡セミナーで「ジャクソンホール会合に向けて米株が下げるだろうが、あまり深押しを想定していると買いそびれる可能性があるので、下値を欲張らないように。」と話しておきましたが、案の定の展開になりました。
 
 8月18日の有料情報や19日の東京セミナーで、東証グロース市場やナスダック指数の逆張り指標であるRCIを使って、逆張りでとらえる場面に来たと明言して解説しました。
 今月は24~26日に開催されるジャクソンホール会合に向けて米株が値下がりしてきましたが、注目のパウエルFRB議長の講演は25日なので、この原稿を書いている時点では講演内容は分かりません。

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 7月29日(土)に開催された、さくらインベスト福岡セミナーで、来場者の質問に答えて「8月のジャクソンホール会合に向けて米株が値下がりすることは十分に予想できる。ただしあまり深押しを想定していると押し目買いのチャンスを逃がす可能性があるので、下値を欲張らないように。」と話しておきました。

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 米株はNYダウが1987年1月以来36年半ぶりの13日連続の値上がりとなり、実勢を示すSP500指数は、7月相場で月足チャートでは6ヵ月線と24ヵ月線がゴールデンクロスして、ザラ場ベースでは昨年1月の史上最高値から昨年10月の安値までの下げ幅の82%を戻しました。こうした強い形になった直後、格付け会社のフィッチが米国債の格付けを12年ぶりに引き下げを発表したため、にわかに株価が下げ波乱の動きになり、今週は中小の米銀の格下げが発表されて米株は値下りしてきました。

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 前回書いたように、先週NYダウは1987年1月以来36年半ぶりの13日連続の値上がりとなりました。もし14連騰となれば、なんと1897年以来126年ぶりの歴史的な記録になるところでした。それはならず残念ながら13連騰で止まりましたが、それでも十分に価値があります。
 
 1987年というのは10月に有名なブラックマンデーの大暴落が起きましたが、その前に年初から6月までほぼ一本調子にNYダウなど米株は上昇していきました。その1987年のスタートの時と同じ連騰記録が飛び出したわけですから、無視するわけにはいきません。

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 今年は年初からずっと強気のスタンスで書いたり話したりしてきました。途中で起きる短期的な調整場面でも動じることなく強気を貫いて「大きな上昇トレンドに変わりない」と言い続けてきました。

 
 今週は米株が注目すべき強さを見せています。実勢を示すSP500指数とナスダック指数が、既にいち早く今年の最高値を更新していましたが、後れていたNYダウも新高値になりました。しかもFOMCでの0.25%利上げという想定通りの結果を受けて、1987年1月以来36年半ぶりの13日連続の値上がりとなりました。

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