12月最大注目の1つであった米FOMCの結果が10日に公表され、事前予想通り3会合連続25bpの利下げを決定し、政策金利は3.50-3.70%へ引き下げされました。反対票は3票で、50bp利上げが1名、据え置きが2名となり、前回の2名から3名となりました。FOMCの声明を見ると、トーンは一旦の利下げ打ち止め感です。声明のフォワードガイダンスでは、これまで「追加の政策調整を検討するうえで」としていたのが、今回は「程度と時期を検討するうえで」と文言を修正しています。この文言修正は24年12月のFOMCの時と同じで、FOMCは昨年12月の利下げ以降しばらく利下げを停止し、次の利下げは今年9月でしたので、今後の金融政策の方向性を定めていくのに時間的猶予を持つことを示していると見られます。なお、参加メンバーで投票するドットチャートを見ると、来年2026年の政策金利中央値が3.4%、2027年が3.1%となっており、1年に1回の利下げを見込むという予想になっています。
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横尾寧子のFXのはじめかた
雇用と時期FRB議長人事が年始の注目点2025.12.12
10年債利回り上昇止まらず2025.12.05
いよいよ来週は2025年最後となる金融政策会合が各国で控えています。最大注目のFOMCは9-10日に開催されますが、今回は史上最長となる政府機関一部閉鎖の影響があり、マクロ材料が揃わない状況での政策判断が求められるという難しい局面です。秋相場はこうした中で民間指標の重要度が高まっていましたが、今回も3日に発表された11月ADP雇用統計が予想+1.0万人に対し、結果-3.2万人と大きくしたブレたことで、インフレと雇用の悪化に対する予防的な利下げを正当化できる材料が整いつつあります。
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NZドルは目先底打ち2025.11.28
今週11月26日(水)にNZが金融政策会合を行い、25bpの利下げを決定しました。政策金利は2.25%となり、3年ぶりの低水準です。この決定について、ホークスビーRBNZ総裁は追加利下げのハードルは高いと利下げ打ち止めを示唆する発言をしたことでNZドルは対円、対豪ドルともに大きく上昇しています。長くNZドル低迷期が続きましたが、週足チャートでも今週現時点で雲の上限を伺う動きになっており、日足チャートでは89円前後の上値と、85円台の下値のボックスを上に放れてきました。
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1か月半遅れで出た9月雇用統計にて12月利下げ期待消失か2025.11.21
直近では155円で当局からの警戒感が出ていたドル円相場は19日も10年債利回りが1.775%まで上昇するなど、12月利上げを織り込んだ動きになっていました。しかし19日夕方に行われた片山財務相、城内経財相、植田日銀総裁による3者会談にて「為替について具体的な話はなかった」と片山財務相が発言したところが起点となり、ドル円相場は一気に157円台まで上昇して10カ月ぶりの水準となりました。今の水準と勢いは半端に介入したところですぐに戻されるし、円安にしたいという意向ならともかく、円安を是正したいという意向があったのだとしたら、3者会談が必要だったのかどうかと思わなくもないですが、その後公表されたFOMCの議事要旨にて年内の追加利下げの可能性が後退したことも合わせて円安に拍車がかかりました。
米政府機関一部が閉鎖していたことで統計の公表が遅れていましたが、取り急ぎ直近で発表されたスケジュールでは、11月25日に9月の小売売上高公表、11月26日に9月の耐久財受注を公表、この辺りのスケジュールは感謝祭(感謝祭は11月27日)ウィークに入っていることから、発表時のマーケット参加者によって大きく値が動きやすいかもしれません。
最長43日間で米政府閉鎖解除で統計は?2025.11.14
12日のNY市場では近く米下院でつなぎ予算が成立するという見込みから、米政府閉鎖が解除される見通しとなってきたことを好感して米株・米ドルともに上昇しました。対円では155円台まで到達しましたが、ここから先は直近でも片山財務相の口先介入があったので、警戒感から上値を追いにくいと思われます。
日本時間では10月13日にトランプが合意書面にサインをし、これをもって長く続いた米政府機関一部閉鎖は解除となります。今回の閉鎖はかつてない最長記録となり、110億ドル(1.7兆円)もの損失を生んでしまったという結末ですが、金融市場には少し厄介な問題が出てきます。
米株への警戒感と増えてきた為替への言及2025.11.07
155円近くまでの上昇したドル円相場は、11月3日の米株の急落を受けて一旦動揺した動きになりましたが、5日の東京時間に中国が米製品への24%追加関税1年停止、米農産品への最大15%課税の一部を撤廃と発表したため、一時2300円安となっていた日本株は急速に買い戻され、また同日米ISM非製造業景況指数の新規受注が昨年10月以来の高水準だったことを受けて、米経済の底堅さという背景に株価が盛り返す展開になりました。連れてドル円相場もリスクオンの円安ドル高となりましたが、さて一段のドル買いは手探りという状況になってきました。
材料多い今週から次の期待に注目を向けて2025.10.31
トランプ大統領の来日、そして週末は韓国でAPEC、高市首相は習近平中国国家主席と31日に首脳会談を行う予定など、国際政治が盛りだくさんの今週ですが、米日欧の金融政策会合も今週に控えていました。
まずFOMCは事前予想通り2会合連続で25bpの利下げを決定。パウエル議長の発言はFOMC内で様々な意見があることや、既に90%織り込まれている12月利下げについて見送る可能性を示唆し、次回利下げが既定路線ではないと強く否定したことで12月会合は据え置き公算に繋がり、ドルは買われ、株は一時乱高下する動きがありました。ただ、10月1日からスタートした政府閉鎖は間もなく1カ月が経過し、その間雇用統計をはじめとする多くの経済指標の集計や公表が止まっています。現在はFOMCも民間統計や公表される統計のみを材料とする点がありますので、次回12月までに政府機関の閉鎖が解除し、統計の集計が速やかに進み通常の状況に戻るようになると、それらの数字を見てまた思惑が大きく変わると予想されます。
金融市場は月末にイベント控え警戒か2025.10.24
月末のAPECを控え、米中の貿易戦争激化、米ロの会談延期、金価格の急落など不穏なニュースが続いています。こうしたリスクが囁かれると買われるスイスフランは対円で191.91迄上昇し史上最高値を更新しています。実際にこのリスクは火を噴くのかというと、今の時点での金融市場の捉え方は、トランプの「TACOトレード」で良い押し目になるのではないかという見方が大勢と見られます。そうなってくれれば幸いですが、米地銀で起きた不正疑惑や、米サブプライム自動車ローン会社の経営破綻がこのところ続いていますので、米発をメインに国外のニュースに敏感に注視は怠れません。
さて日本は高市首相が誕生しました。来週は早速の外交デビューとなりますが、政権発足から短期間に次々と新たな政策が打ち出され、高い支持率でのスタートになったこともドル円相場には強い追い風になり、152円台まで値を戻してきました。ただ、インフレ対応が急務となる中で円安がこれ以上進むのをスルーするかどうかは懐疑的です。高市政権で財務大臣に就任した財務省出身の片山氏は、今年3月のロイターのインタビューで「ドル円は120円台の時期が長かったので、120円~130円、120円台が実力との見方が多い」と発言し、インフレ対策には円安抑制が必要であるというスタンスを示していましたが、今回は積極財政派であるということが材料視され円安に繋がっています。
金融政策についての言及溢れるも2025.10.17
ドル円相場は高市トレードで153円台まで一気に上昇しましたが、日足は最高値圏で陰線つつみ足となり、その後は政局の不透明感でじりじりと値を消しています。
10月16日にベッセント米財務長官の「日銀が適切な金融政策を進めれば、円はふさわしい水準になる」という発言が市場にじわじわと効いています。日本の当局は153円台をスルーしたのに、151円台まで下げたところで米の意向も汲んだと思われる加藤財務大臣の円安の行き過ぎについてのコメントが出るなど、アメリカの意向=利上げというのが伺えるものでした。この点加味すると直近の水準が上値の上限と考えて良さそうですが、今の日本は政局の行方次第で相場が大きく上下に跳ねるので、21日の首班指名を過ぎるまでは決めつけて動けません。
高市総裁誕生で開けたドル円のマド2025.10.10
先週末まで10月の利上げ思惑を背景に再び200日線を下回って落ち込んでいたドル円相場でしたが、ビッグサプライズの高市総裁決定で今週は大きく窓を開けてスタートしました。先週末の高値が147.81に対し、今週現時点での安値は148.96で日足チャートを見るときれいに窓を開けたまま高値を切り上げています。ドル円相場がこの高値の水準でここまで大きく窓を開けたという記憶が少なくとも2000年以降ありません。ユーロ相場では2017年4月のフランス大統領選で懸念された極右のルペン氏よりマクロン氏が優勢だったことからユーロ買いスタートとなり大きく窓を開けたスタートした時がありました。対円、対ドルで開けたこの大きな窓を開けるにはかなり長い時間を要していました。チャートのセオリーで窓開けは窓埋め狙いのトレードを狙う人もいましたがロスカットせざるを得ない強い上昇でした。週足でもしっかり出ていますので、2017年に振り返って見て下さい。


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