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横尾寧子のFXのはじめかた

 トランプ大統領の来日、そして週末は韓国でAPEC、高市首相は習近平中国国家主席と31日に首脳会談を行う予定など、国際政治が盛りだくさんの今週ですが、米日欧の金融政策会合も今週に控えていました。

 まずFOMCは事前予想通り2会合連続で25bpの利下げを決定。パウエル議長の発言はFOMC内で様々な意見があることや、既に90%織り込まれている12月利下げについて見送る可能性を示唆し、次回利下げが既定路線ではないと強く否定したことで12月会合は据え置き公算に繋がり、ドルは買われ、株は一時乱高下する動きがありました。ただ、10月1日からスタートした政府閉鎖は間もなく1カ月が経過し、その間雇用統計をはじめとする多くの経済指標の集計や公表が止まっています。現在はFOMCも民間統計や公表される統計のみを材料とする点がありますので、次回12月までに政府機関の閉鎖が解除し、統計の集計が速やかに進み通常の状況に戻るようになると、それらの数字を見てまた思惑が大きく変わると予想されます。

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 月末のAPECを控え、米中の貿易戦争激化、米ロの会談延期、金価格の急落など不穏なニュースが続いています。こうしたリスクが囁かれると買われるスイスフランは対円で191.91迄上昇し史上最高値を更新しています。実際にこのリスクは火を噴くのかというと、今の時点での金融市場の捉え方は、トランプの「TACOトレード」で良い押し目になるのではないかという見方が大勢と見られます。そうなってくれれば幸いですが、米地銀で起きた不正疑惑や、米サブプライム自動車ローン会社の経営破綻がこのところ続いていますので、米発をメインに国外のニュースに敏感に注視は怠れません。

 さて日本は高市首相が誕生しました。来週は早速の外交デビューとなりますが、政権発足から短期間に次々と新たな政策が打ち出され、高い支持率でのスタートになったこともドル円相場には強い追い風になり、152円台まで値を戻してきました。ただ、インフレ対応が急務となる中で円安がこれ以上進むのをスルーするかどうかは懐疑的です。高市政権で財務大臣に就任した財務省出身の片山氏は、今年3月のロイターのインタビューで「ドル円は120円台の時期が長かったので、120円~130円、120円台が実力との見方が多い」と発言し、インフレ対策には円安抑制が必要であるというスタンスを示していましたが、今回は積極財政派であるということが材料視され円安に繋がっています。

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 ドル円相場は高市トレードで153円台まで一気に上昇しましたが、日足は最高値圏で陰線つつみ足となり、その後は政局の不透明感でじりじりと値を消しています。

 10月16日にベッセント米財務長官の「日銀が適切な金融政策を進めれば、円はふさわしい水準になる」という発言が市場にじわじわと効いています。日本の当局は153円台をスルーしたのに、151円台まで下げたところで米の意向も汲んだと思われる加藤財務大臣の円安の行き過ぎについてのコメントが出るなど、アメリカの意向=利上げというのが伺えるものでした。この点加味すると直近の水準が上値の上限と考えて良さそうですが、今の日本は政局の行方次第で相場が大きく上下に跳ねるので、21日の首班指名を過ぎるまでは決めつけて動けません。

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 先週末まで10月の利上げ思惑を背景に再び200日線を下回って落ち込んでいたドル円相場でしたが、ビッグサプライズの高市総裁決定で今週は大きく窓を開けてスタートしました。先週末の高値が147.81に対し、今週現時点での安値は148.96で日足チャートを見るときれいに窓を開けたまま高値を切り上げています。ドル円相場がこの高値の水準でここまで大きく窓を開けたという記憶が少なくとも2000年以降ありません。ユーロ相場では2017年4月のフランス大統領選で懸念された極右のルペン氏よりマクロン氏が優勢だったことからユーロ買いスタートとなり大きく窓を開けたスタートした時がありました。対円、対ドルで開けたこの大きな窓を開けるにはかなり長い時間を要していました。チャートのセオリーで窓開けは窓埋め狙いのトレードを狙う人もいましたがロスカットせざるを得ない強い上昇でした。週足でもしっかり出ていますので、2017年に振り返って見て下さい。

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 10月3日に発表を予定されていた9月の雇用統計は、10月1日からの米政府機関一部閉鎖に伴い公表延期の可能性が濃厚です。政府機関の再開がいつになるかは全く分かりません。野党民主党が強硬姿勢を崩せば今日にも再開するかもしれず、姿勢を崩さなければ何週間もかかるかもしれません。今回の政府機関一部閉鎖によって約75万人の政府職員が一時帰休となっており、この政府職員に対してトランプ大統領は大量解雇を決定するのではないかという報道も出ています。9月の雇用統計も、また週次の失業保険申請件数の公表も延期ですが、こうした状況を踏まえると10月の雇用統計は大きく減速する見通しが強まりそうです。また民間指標であるADP全米雇用報告を見ると、予想+5.0万人に対して、結果-3.2万人と大きく下回りました。最近はADPと労働省が公表する雇用統計の数字に連動性はあまりありませんでしたから、ADPが悪い=雇用統計もきっと悪いとは言えません。しかし現在は雇用統計が出ない以上民間指標を手掛かり材料にするしかありません。

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 米ドルの復調で、ドル円相場の日足チャートでは9月24日のNY時間に200日線を上に突破してきました。7月末に一度上に突破する局面がありましたが、酷い雇用統計の結果を受けてすぐに押し戻されましたが、今回はどうなるでしょうか。2月に200日線を下回った時が152円台の水準でしたが、その後は現在まで実質上値を抑えられています。今回が一時的な突破かしっかり上に抜けて来るのかによってトレンドもまた変わってきそうですから注目しておきたいポイントです。

 この円安基調が強まる中、クロス円もドル円の上昇がサポートして堅調な通貨が多い中、NZドル円は200日線を下回ってきました。クロス円通貨ペアの中でここまで下げが酷い動きになっている通貨は他に見当たりません。先週のコラムの最後でAUD/NZDペアについても書きましたが、今日は日足のチャートを参照ください。凄まじい右上がりの豪ドル高です。自国産業が弱く、自国民の他国への移住が増えて人材流出が強まり、経済のテコ入れが非常に厳しい状況が続いています。まだコツンと底打ちする様子もうかがえません。まだこの動きが続いていくことが予想されます。

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 9月18日、FOMCは25bpの利下げを決定しました。8月末のジャクソンホール会合でもパウエル議長が示唆したことで市場は事前に100%織り込んでいましたから市場には過度な反応はありませんでした。それでも発表後はアルゴの動きもあり上下しましたが、すぐに落ち着きを取り戻し発表前水準に。またFOMCではGDP成長率の見通しを上方修正し、インフレ見通しも引き上げるなど複数の指標で今回の利下げ決定と矛盾したタカ派な見通しを示したことから、次回以降は様子見色が強まっています。ドットチャートを見ると、年内後2回(50bp利下げ)の予想が出ていますが、これは1月まで限定的に政権サイドから指名されFRB理事となったミラン氏の以降による異常値と見られ、今回についても50bp引き下げを主張したのがミラン氏1人だったと思われることから、FRB内部の分裂懸念は後退し、独立性への信頼がやや強まり、ミラン氏の異端色が強まったような印象を受ける会合となりました。

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 9月8日、仏下院はバイル首相の信任投票を否決し、去年12月の内閣発足から9ヵ月で総辞職となりました。事前予想通りの展開です。フランスでは2年足らずに首相が4人交代する等酷い政治不透明感が続いています。大統領が首相を任命し内閣発足という流れになる政治体制なので、マクロン大統領が後退しない限り、今の状況が続くということは明白で、10日では全土でマクロン辞任を求める反政府デモが行われ17万人が参加したと報じられています。マクロン大統領の盟友が新首相に任命されていますが、スタートから風前の灯火・・・。

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 FOMCで9月に利下げが決定されるのか?すでに利下げが織り込まれているとはいえ、1つ1つの材料をもってその信ぴょう性が増していく中、発表される経済指標への注目度も増しています。特に現在は9月利下げは織り込み、それ以降も更なる利下げが行われるかどうかを示す手がかり材料を探すような状況です。米ドルは対円で一時149円台まで上昇するなどドル高・円安傾向が目立ちます。仏政治と財政への懸念、ドイツ経済の停滞を背景に今夏にかけて上昇が目覚ましかったユーロの売りが目立つこと、英ポンドも財政危機で30年債利回りが急騰して98年以来の高水準になりポンド売りにつながり、相対してドルが買われる地合いになっています。

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 昨年12月4日、フランスのバルニエ前内閣が不信任案可決で崩壊しました。不信任案が成立したのは62年ぶりという歴史的な出来事でしたが、新たに発足したバイル内閣が風前の灯火です。バイル氏は大規模な歳出削減計画について、9月8日に下院で信任投票を行うと発表しましたが、主要野党3党が支持しないと表明しており、政権崩壊の可能性が高まっています。マクロン大統領が新たな首相を指名するのか、総選挙になるのか分かりませんが、このままフランスが財政再建ができない場合はIMFがフランスの財政運営に介入せざるを得なくなる可能性があるとの一部政治家の見方もあり、9月のユーロ相場に大きな影響を与えそうです。現在独仏の10年債利回り差は再び拡大しており、100bpに近づくのではないかという見通しもあり、仏30年債利回りはユーロ危機以来の2011年以来の高水準に達する等警戒ムード一色です。

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