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横尾寧子のFXのはじめかた

 先週の当コラムで円安の水準訂正がなされ、目先の下値の目途は151円と書きました。レポート発行後は一時的にドルが買い戻される場面もあり、下値までは時間を要するかもしれない印象を持っていましたが、マーケットは一気にリスクオフムードが台頭しドル円相場は今月初旬に直近最高値の161.94までつけていたのが、一気に152円台まで10円近く値を消してきました。その後ずるっと151円台94銭まで下落して、見事に2022年10月と2023年11月につけた151円台の高値が強い下値のサポートとなり、その後反発して現在153円台まで回復しています。当初の当コラムには151円まで下げたときに反発するか、そのまま割り込むかで見方が変わると書いておきましたが、そのサポートでしっかり反発してきましたので、まずはこの下値が非常に強力な抵抗ラインとなったことが確認されました。ここを割り込むには再度数回のトライが見られるかもしれません。再度下値を模索するかどうか、直近では来週の日銀会合、FOMCを控えて動きを見極めるタイミングになるかと思います。

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 先週末は日銀が11、12日連続で合計5兆円超の日銀介入を実施したことが報じられ、ドル円相場は161円台から一気に157円台まで下落しました。さらに週末にはトランプ元大統領の襲撃事件を受けて大統領選挙の予想が「トランプ大統領当選」で一気にもしトラが現実的に。そうした中で今度は日本側から17日に9月の自民党総裁選で次期総裁を目指すと発言している河野デジタル相がブルームバーグTVのインタビューで「円は安すぎる。日銀に利上げを要請」と発言したことで円相場は一段と円高になっています。河野氏の発言で???という日本人サイドの印象もありますが、まず英語で海外に向けて報道されたことで、海外勢が先行して円買いを仕掛けたと見られています。加えてトランプ元大統領がブルームバーグのインタビューに対し円安に懸念を示したことでダメ押しとなり、円相場は155円まで急落しています。それだけではなく、ウォラーFRB理事が早期利下げ方針を示すなど、一気にドルに対するネガティブな報道が矢継ぎ早だったことで一段のドルの押し下げに傾きました。

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 既報の通りですが、7月11日の米6月CPI発表直後の日本時間の21時半過ぎに突如ドル円相場が急激な円高となりました。その時はCPIを見て、今週強まっていた9月利下げに向けての動きが出たのかと思いきや、一気に4円円高になり、その後政府関係者から介入を示唆する発言が出たことで日銀の介入と確認されました。円相場につれる形でクロス円も総じて円高になり、ユーロ円、豪ドル円、NZドル円、カナダドル円、スイスフラン円は高値圏で週足現時点では陰線つつみ足となっており、この中で12日の午前には日銀が「ユーロ」に対してレートチェックを行っていると報道が出ています。ユーロ円は11日に175円まで上昇し史上最高値を更新していましたので、対ユーロでも為替介入を辞さない姿勢を示すことで、ドル以外の通貨に対しても投機的な円売りを防ぐ狙いがあると報じられています。ユーロ発足の1999年以降の当局の介入はドルに限られていますので、もしユーロに介入ということになると史上初です。ユーロのレートチェックというのもこれまでありませんでしたから、こうした口先介入での抑制を求めたいところでしょうが、その後のユーロの動きは発言が効いておらず11日の下げを戻すべく堅調な動きになっています。

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 先週末の仏下院選挙第1回投票で極右が勝利したことで、週明けのユーロは上に窓開けしてスタートしました。今週末に決選投票を控えていますが、極右政党の国民連合が勝利することは間違いない路線となっています。そうすると極端に右傾化するかといえば、かつての国民連合(変更前に党名は国民戦線)であればそうであったかもしれませんが、2018年現在の国民連合に改名し、昔に比べたらソフト右路線ですから「極右」と言われて思い浮かべるイメージよりはライトな雰囲気になっていますが、それでも中道左派のマクロン大統領と、内政が極右政党となるので混乱は否めないと警戒されています。選挙後にはパリ五輪の開幕を控えていますが、テロリスクは高まる=リスクオフが発生するリスクがあると念頭に置いてのトレードが必要です。

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 先週20日のNY時間に米財務省が半期に一度の為替報告書(2023年12月までの為替動向から判断)を公表しました。その中で日本円について監視対象としたことが注目され、ドル円相場は「米財務省が監視対象にしているからうかつに介入できないのではないか」という思惑を背景に再びドル円相場は上昇し、6月28日には161.27まで上昇し前回高値を更新しています。今回の為替報告書は昨年までの動向を前提にしていることから、今年の4月29日、5月2日の史上最大規模の為替介入は加味されていません。ただ、介入を容認しているわけではないことから、さらなる介入に懐疑的であるという思惑があるものの、高値更新のドル円相場に対して本邦財務省からもけん制発言が出ていますが、高値をじりじりと切り上げていくことになると、介入せずと判断され一段高になる可能性も。神経質な展開が続きそうです。

 また為替介入の実行者として連日報じられてきた国際部門トップの神田財務官は7月31日付で退任し、後任は三村国際局長が昇格となる人事が発表になりました。

 先週のレポートで欧州議会選挙の結果フランスの政情不安が出てきたと取り上げましたが、今週は週初からそれを要因に金融市場全般が大きく波乱含みになりました。フランスの政情不安をリスク要因としている割には時差があり、ややそれを波乱の「理由付け」とした印象を持ちましたが、6月30日に控える1回目投票、7月7日の決選投票に向けての注目度が俄然増してきました。選挙結果によっては「EU離脱か」といった極論も出始めていますので、フランス同様に極右の躍進で与党の弱体化が目立つドイツをはじめとした他国も動向に目が離せません。

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 政治余波は各国選挙に及ばず、あまり金融市場で大きく材料視されることのなかった欧州議会選挙が今年は大荒れとなり、ユーロが対ドル、対ポンドで大きく下げて窓開けとなりました。対ドルは12日の米CPIが軟調だったことで大きくドル売りに傾斜し、窓埋めとなりましたが、対ポンドでは窓が開いたままです。とはいえ、ポンドも買い材料になるものがないため、窓埋めを狙ったポジションは取りづらいですね。選挙を経ての利下げが確実視されていますが、その前に仏が30年ぶりの解散総選挙となりましたので、ユーロの先安不安のほうが台頭しそうです。

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 2024年の選挙イヤー、最大の山場が11月の米大統領選挙ですが、その前に世界各国で多くの総選挙が行われており、直近も3つの新興国の選挙で相場が大きく荒れました。

 5月29日南アフリカ総選挙。結果、アパルトヘイト撤廃から30年で初の与党過半数割れ。連立協議へ。交渉相手は白人中心の第2党、ズマ前大統領率いる第3党を含む5政党と協議しているが政治の空白・不透明感でランドは下げ、5月の高値から直近まで5%強の下落。

 6月2日メキシコ総選挙。結果、与党3党が勝利し、初の女性大統領の誕生となったが、場当たり的なインフラ投資や国有企業優遇など現政権の流れを踏襲するというスタンスから、財政悪化への警戒感が広がり、投票後は株・為替・債券のトリプル安となる。ペソは安値を付けて一旦持ち直しているが、選挙をトリガーにしてメキシコペソの潮目が変わったという印象が拭えない。

 6月4日インド総選挙。結果、与党過半数との第一報でインド株は史上最高値を付けるも、結果を見ると過半数割れでモディ政権の求心力低下が浮き彫りになる。インド株は一転して一時8%を超える急落、為替・債券も同様に上昇から一転急落に。

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 イギリスは7月の総選挙に向けて、下院が解散しました。いよいよ選挙期間に突入です。このイギリスの解散総選挙のスケジュールを受けて、ポンドに台頭していた利下げ懸念が後退し、ポンドは対円で2008年8月以来となる200円台乗せとなりました。2008年8月といえば、リーマンブラザーズが破綻する直前です。円キャリートレードの人気が終焉し、最高値の251円の急落から小反発した局面でした。まさに今の円キャリー相場のように、当時もドル円、クロス円が全般的に買われる凄まじい円安局面でした。今と当時ではFXトレードの知名度に圧倒的な差があり、レバレッジ400倍などといった投資を勧める業者も多くいたことから、かなり投機的で怪しい印象の強い金融商品の位置づけでしたが、それでも円を売れば儲かるということで多くの人がハイレバで外貨を買って、その資金全てを溶かしてFXから撤退するようなことが相次ぎ、レバレッジ規制に進むきっかけになった頃で、多くの人が溶かした通貨の代表がこの英ポンドです。それから16年ぶりの200円乗せと非常に堅調な動きになっています。

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 GW期間中に日銀の介入(とおぼしき)行動があり、以降ドル円相場は155円を挟んで小動きになっています。2回にわたる円買い行動が見られましたから、一段の介入警戒感で買い上がりづらい状況です。加えて直近では介入に続いて円防衛で日銀も政策行動を行うのではないかという見通しも踏まえ、長期金利は11年ぶりに1%台まで上昇してきました。これは円サイドの見通しですが、反面ドルサイドは高止まりしているインフレを背景に、FRB要人発言は利下げ開始時期の後退を示唆する発言が続いています。FRBが注視するPCEデフレーターの発表が5月31日にありますが、すでにこれだけ発言が出揃っている以上、実質年内の利下げは無いと踏まえてドルは底堅い展開になりそうです。ただ円安も受け入れがたい水準と日本当局が見ていることも分かるように、強弱が難しく膠着が続きやすい地合いになってきました。

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