6日の午前、トランプ大統領は一般教書演説を行いました。その中で「数十年に亘る破滅的貿易政策の転換が最優先」と表明し、通商協議に対する揺るがないスタンスを示しています。いよいよ90日間にわたる米中協議は2月末にその期限が迫る中、今のところその行方が全く見えない展開ですが、先月末の劉鶴副首相の訪米に続き、来週は強硬派のライトハイザーUSTR代表と、穏健派のムニューシン財務長官が訪中し、協議を一段と詰めることになりました。市場はライトハイザー氏が主導することで、かなり厳しい状況になるのではないかとみられています。この交渉でまとまらなければ、中国製品に対する制裁関税は10→25%に引き上げられます。
横尾寧子のFXのはじめかた
2月末に迫る協議の行方は2019.02.08
FRBの利上げ停止示唆後の雇用統計2019.02.01
今夜(2月1日)は米1月の雇用統計が発表されます。1月30日のFOMCで、これまでFRBが続けてきた利上げが停止されたことが示唆され、ドル円は108円台に値を下げていますが、実際にアメリカ景気はどうなのかという状況精査の意味でも今回の雇用統計の結果が気になります。
主体性無き相場続く2019.01.25
今年も昨年同様、米中の通商交渉の行方に右往左往させられる展開が続いています。その金融市場全体の中で、当事者の1人と言えるのがオーストラリアです。年始1月3日には、豪ドルとトルコの大量の売りが起因となってフラッシュクラッシュが発生しました。2日の終値と3日の安値の変動率を調べてみると、投資家が最も注視したドル円が▲4・2%だったのに対して、豪ドル円は▲8・7%と大きなものになりました。ちなみに、ユーロ円が▲4・6%でドル円に近く、NZドル円が▲6・13%で豪ドルほどの変化率にはなりませんでした。その売りに押されて戻していましたが、週明けからの通商協議に対する期待剥落に加えて、中国のGDPが28年ぶりの低水準に陥ったことを背景にして、再び鈍い動きになっています。対円チャートではそこまでハッキリ分かり難いかもしれませんが、豪ドル/NZドル円で見ると、2通貨の騰勢がハッキリ分かります。
米経済指標、悪化も市場は好感2019.01.18
「為替ばんざい」(※会員向けレポート内コラムのため、当ホームページに掲載はございません。)で中国の経済指標について触れましたが、アメリカの景気指標も横並びで悪化が見えてきています。今月初旬に発表されたISM製造業、非製造業景況指数の悪化は前回レポートで触れた通りですが、15日に発表された12月のPPIは前月比-0・2%で落ち込みの大きさは2年4ヵ月ぶり、コア指数も予想を下回り-0・1%に留まりました。CPI前月比も-0・1%で9ヵ月ぶりのマイナスとなり、昨年12月に発表されたNAHB住宅価格指数は56と2015年5月以来の低水準に急落してきました。今回相場の高水準が2017年12月の74ですから、たった1年でかなり大きな落ち込みになりました。アメリカで強い指標が続いているのは雇用ぐらいです。ただ、雇用は当然遅行指標ですから、今後この水準が保たれるかどうかは非常に未知数です。
採決か延期か、取り止めもあるのか2019.01.11
アメリカの政府機関が閉鎖されて、8日で18日目となりました。2013年に閉鎖した時が16日でしたが、その際博物館などが閉鎖され、その観光収入が5億ドル減少したと言われていますが、今現在その時の記録を上回っています。さて、今後どのような影響が出て来るのか注目されます。
「歴史的」な記録2018.12.28
12月24日、日本市場が休場の中、欧米市場は大きく下落しました。翌日25日の日本市場は1010円の急落、夜間は欧米がクリスマスで休場、そして、26日の夜に米株が1086ドルの過去最大の上げ幅を記録、主要3指数はいずれも2011年以来の4%以上の値上がりになるなど、大変乱高下の激しい動きとなりました。その間ドルは110円割れ寸前で一旦止まり、米株の上昇に歩調を合わせて大陽線で110円40銭まで上昇しましたが、その後は失速する動きになっています。
「極めて正常な動き」と。2018.12.14
日足の為替チャートを見ると、対円、対ドルで200日線を超えて堅調な動きになっている通貨は多くありません。上下に動かされる地合いが続いており、欧州はネガティブ材料の宝庫ですし、新興国は鈍い。米中貿易問題は薄明かりが差すと何か問題が出るという繰り返しで来ました。中国は貿易問題の悪化を受けて、当然国内情勢が悪くなっていると思われますが、鉛筆をなめた経済統計では飽き足らず、数値公表を取り止める指標も出てきました(12月10日日経新聞「中国統計、相次ぐ公表停止の裏側」)。中国の経済悪化は資源通貨にも重しになっており、豪ドルも冴えません。
1年で一番陽線率の高い12月のNZドル2018.12.07
いよいよ師走相場です。株式市場は年末まで大きく盛り上がっていく時ですが、為替相場はお正月より一足早く、欧米のクリスマス休暇が近づくことから、12月2週目でだいたい相場がまとまり、3週目には一気に参加者が減りだします。今年は12月11日に英国のEU離脱についての国会投票が行われ、先般のEUとの合意内容についての審議が定まり、13日のECB会合で量的緩和が終了する予定です。翌週19日にはFOMCで年内最後の利上げが実施される見通しが高く、日本単独ではその19日にソフトバンクのIPOが控えています。
週末リスクに注意2018.11.30
今週は、目先の大きな材料として12月1日の米中首脳会談が警戒されていますが、その前に28日深夜のパウエル議長の講演で、来年の金融政策について、現在の想定よりもややハト派な内容が示されたことから、NY時間のドル円が下落しユーロドルが反発しました。ちょうど議長の講演の前日、トランプ大統領が「FRBの金融政策が経済に悪影響」「パウエル議長に不満」と現行の政策に対する強い批判メッセージを示していたことと、今夏副議長に就任したクラリダ氏が今後の利上げに対して否定的な意見を示していたこともあり、警戒が強まっていましたが、思った以上の発言と反応でした。個人的にはFRBも独立機関とはいえ、政治とは切っても切り離せないところですから、ある程度の忖度?はあったように感じたことと、相場が強く反応したなという印象の2点です。ただ、ドルが113円を割り込まなかったことはやはりまだドルの強さを感じさせられました。