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経済再開と生き残り企業と為替2020.05.22

 世界的に止まっていた経済活動がだんだんと再開されだしました。日本はともかく先進各国は、ロックダウンの中でも収入保障や失業保険が手厚かったため、個人消費動向が相場の動きを左右することはありませんでした。ただ経済活動が再開となると、ここから今年後半にかけて徐々に色々な変化が大きく表れてくると思います。

 各国でロックダウンが始まったのが3月からですが、それ以降、米企業ではニーマン・マーカス、J・クルー、ゴールドジム、JCペニーなど大手がチャプター11(日本でいう民事再生法)を申請。エアラインは深刻で、豪のヴァージン・オーストラリアやタイ国際航空が破綻し、エミレーツは世界最大規模のリストラ。エアバスも人員削減を検討、英ロールス・ロイスが9千人削減など、百貨店やスポーツジム、航空会社などまず休業を余儀なくされた企業に深刻な影響が表れています。ここからもこうした企業倒産は多く出てくると思いますが、次の段階で出てくるのがM&Aです。国内企業同士のM&Aについては為替市場で特段の反応を示しませんが、国外企業によるM&Aは買い付けのための為替の手当てが必要になる関係上、その規模によっては大きく為替市場を動かします。特に、理由が分からないがじわじわと上がるような通貨が出てくるときは、表に出る前に買収の手続きが行われているかもしれません。そういうことが起こりやすいのが今のような経済危機時ですので、世界的に低金利で為替投資に魅力が無い中で理由のつかない動きが出るときは、注意してみておくことと、表に出ると間もなく手当てが終わって値動きがピークを付けることが往々にあるので、その点もお忘れなく。

 現在は、経済活動の再開もあり、クロス円全般的にリスクを取る動きになっていますが、マイナス金利の導入懸念が強まっている英ポンドは鈍い動きが続いています。20日の3年物国債入札では、平均落札利回りが史上初の-0.003%となりました。すでに市場はマイナス金利導入を織り込んだ動きになりつつあります。ベイリーBOE総裁も今はまだ採用せずとも、将来の可能性は否定せずといったところで、さらにEUとの通商交渉期限も迫っている中、目先は英ポンドは軟調推移となりそうです。

 ポンドショートについて対円ではボラティリティがさほどないのであまり魅力はありませんが、経済再開しているEU、オセアニアやNYの再開を待つ米ドルに対しては、英ポンドは売られる地合いになりそうで、妙味が高そうです。

 ※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートに加筆・抜粋しております。

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