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利上げ遠のく日本、利下げ遠のくアメリカ2025.05.09

 比較的穏やかな相場展開だった今回のGW相場ですが、5月1日の日銀会合を受けて、日本の追加利上げが遠のいたことが確認され、8日のFOMCで3会合連続据え置き、利下げ期待が遠のいたことで円安に傾きやすい地合いが形成されたような印象ですが、さほど相場は反応していませんでした。ただトランプ大統領が8日(日本時間23時)に英国との貿易協定合意を発表したことで、米中交渉への進展期待も広がり、一気にドル円相場は146円台まで押し上げました。今週末の米中貿易交渉への期待と不安が強まる中、トランプ大統領は「今こそ米株を買うべきだ」と煽っていることから、何らかの合意が見られ、対中関税145%も引き下げられるのではないかという見込みが強いものの、その思惑について現状ホワイトハウスは否定している状況で、期待が剥落するようであれば来週の相場は一気に不安が強まりそうです。

 またFOMC声明や議長発言を見ると、今回一番強いメッセージとして受け取られたのが「利下げはしない」という頑な?意志です。直前にはベッセント財務長官が「2年債利回りとFF金利が逆転する逆イールドの状態はその後過去景気後退に繋がっているから、利下げをすべき」と発言しており、トランプ大統領もかなり強い言葉で利下げをしないパウエル議長を非難していましたが、今回の利下げをしないという強いメッセージについては、こうした政治的圧力に屈しないという姿勢なのかもしれません。ただ、インフレ率が高まり、失業率も高まっているという非常の不安定な状態と見られるので、何かをきっかけにガラッと方向感が変わるかもしれません。

 いずれにしても6月の利下げ思惑は打ち消されましたが、7月以降についてはまだ未知ではあります。ただこうした先行き不透明感が利下げが遠のき円ロングが解消されやすい中でさほど動きが出ない理由になっているのかもしれません。

 その他を見ると、5月3日に投開票が行われた豪総選挙は、与党・労働党が過半数を獲得し勝利しました。与党は物価対策に重点を置き、減税や高騰した住宅を若者が買いやすくする制度など経済的負担を和らげる公約を打ち出したことが奏功し、21年ぶりとなる首相が2期目を担うことが決まり歴史的な勝利と報じられています。政権安定を背景に豪ドルは対ドルで200日線にタッチするまで上伸してきました。各国で政治不安や右傾化、左傾化が懸念される中、中道左派で極論を排除した選挙結果になったオーストラリアが安定的な政権運営で今後どのように経済が展開されるか非常に注目です。

当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

 

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