横尾寧子のFXのはじめかた

 注目されたアメリカの1月CPIが12日に公表され。前月比の事前予想は+0.3%に対し、結果+0.5%、コア指数も予想+3.1%に対し+3.3%と好結果となり、ドル円は直近下げた分をV字型の切り返しで全戻しし、154円台まで回復しました。一時200日線を割り込み151円も割り込みましたが、強い切り返しです。パウエル議長も「利下げを急ぐ必要はない」、政策金利は当面現状を据え置くとしており、FRBによる年内の追加利下げ思惑は後退しました。CPIの公表に先立ちトランプ大統領は自身のSNSで政策金利を引き下げるよう再び要求しました。利下げと関税を同時に引き上げることが米経済に有効であるとFRBへの圧力を強めた内容になりましたから、指標とパウエル議長のスタンスを見る限りは政策金利は年内据え置かれ、CPIの進捗によっては追加利上げの思惑なども浮上するかもしれませんが、トランプ大統領が強く阻止してくると考えられ、ドルの方向感は依然として不透明です。(追記:2/14はトランプ大統領が相互関税発言で再びの円高となり、152円台ですが、引き続きこうした動きの繰り返しが予想され方向感は定まりません)

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 2月相場が始まり、警戒された関税戦争は、カナダとメキシコへの関税を1カ月延長、中国への10%は予定通りでスタートしました。カナダドルは週初、関税警戒で大きく下げてスタートしましたが、その後いったん延長で窓埋めしたものの、経済減速警戒もあり軟調です。
 
 ドル円相場も2月5日に12月17日以来の154円割れ以降円高が進み、2月6日の日本時間前場には田村審議委員のタカ派発言でさらに円高が進行し、一時151円台を付ける動きになりました。

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 1月29日は2025年最初のFOMCでしたが事前予想通り金利は据え置かれ、特段大きな材料にはなりませんでした。政策金利は4.25-4.50%で4会合ぶりの据え置きです。

 パウエル議長は会見で、現状の金融政策について、労働市場はバランスが取れており、金利はまだ引き締め的だがインフレは低下しており、今の状況を急いで変える必要はないと発言しました。市場も冷静に受け止め、当面は金利が据え置かれると予想されます。注目点はダボス会議でのトランプ大統領の発言「私はパウエル議長よりも金利を理解している。金利は引き下げるべきだ」というインフレ抑制、金利引き下げ要求についてどう思うか?ですが、パウエル議長はこの大統領の発言についてはコメントしないとしました。

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 第2次トランプ政権が発足しました。当初は円高に進んでいましたが、「2月1日にメキシコとカナダに25%の関税を検討」という方向性で一気にドル高へ。今後円高か円安か、どちらにトレンドが固まるのかは不確定要素が高くまだまだ見えません。

 就任と時期を同じくして1月20日から24日まで、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催中です。各国首脳からは早速トランプ大統領の保護主義貿易、関税強化へのけん制といえる発言が続いており、各国とも何が飛び出してくるのか恐々としている雰囲気です。

 そして当のトランプ大統領は23日にオンラインで当会議に出席し、「原油価格が下落している今、金利の即時引き上げを要求する。同時に世界中で金利が引き下げられるべきだ」と発言しました。第1期トランプ政権でもFRBと議長に対する緩和示唆攻撃が強かったですが、再開です。現状においてはトランプ大統領は利下げ、ドル安方向スタンスが見えました。

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 来週はいよいよトランプ大統領が政治の表舞台に正式に復活してきます。それを前にイスラエルとハマスはガザ停戦で合意に至る(トランプ合意)と報じられており、20日の就任式を前に19日に調印というスケジュールになっています。各国はトランプ警戒態勢で就任後に何を実行するか恐々と待ち構えている状況ですね。

 そうした中で直近では日銀の1月利上げの思惑が非常に強まってきました。植田総裁は15日に銀行協会の賀詞交歓会で来週の日銀会合で利上げをするかどうか議論して判断すると発言しました。氷見副総裁に続いての植田総裁発言を受け利上げ見通しが一段と強まる地合いの中、ブルームバーグが16日に関係者への取材でトランプ大統領が来週の就任で金融市場に大きなショックを与えるようなことが無い限り、利上げを行うと話していると報じました。

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 年始のドル円は力強い円安が続いています。昨年12月初旬からの上昇で、2024年のドル円終値は157.20となり、年足陽線で終わりました。12月19日の当コラムでも取り上げましたが、7月の以降の月足の動きから見た年足予想通りの形です。そして今年の年足は陰線になるというのがこれまでのセオリーでしたが、年始の今は円安進行をうかがわせる材料が日々出ています。

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