10月3日に発表を予定されていた9月の雇用統計は、10月1日からの米政府機関一部閉鎖に伴い公表延期の可能性が濃厚です。政府機関の再開がいつになるかは全く分かりません。野党民主党が強硬姿勢を崩せば今日にも再開するかもしれず、姿勢を崩さなければ何週間もかかるかもしれません。今回の政府機関一部閉鎖によって約75万人の政府職員が一時帰休となっており、この政府職員に対してトランプ大統領は大量解雇を決定するのではないかという報道も出ています。9月の雇用統計も、また週次の失業保険申請件数の公表も延期ですが、こうした状況を踏まえると10月の雇用統計は大きく減速する見通しが強まりそうです。また民間指標であるADP全米雇用報告を見ると、予想+5.0万人に対して、結果-3.2万人と大きく下回りました。最近はADPと労働省が公表する雇用統計の数字に連動性はあまりありませんでしたから、ADPが悪い=雇用統計もきっと悪いとは言えません。しかし現在は雇用統計が出ない以上民間指標を手掛かり材料にするしかありません。
前回の政府機関閉鎖はトランプ政権第1期の2018年12月22日からでした。2018年は年間3回の政府機関閉鎖があり、その最長が12月で35日間政府機関が閉鎖となりました。当時大きく下げたドル円相場はつなぎ予算成立の報を受けて切り返して長い下ヒゲとなりその後の下値を支えましたが、かといって雇用の鈍さなどが頭を押さえ、年間通してボラの少ない動きに終始しました。
いずれにしても経済指標のイベントドリブン的なトレードを好まれる方は、公表している政府機関によっては指標発表が延期になりますからよくご確認ください。
その他今週目についたのはスイス中銀の報道です。同中銀は4-6月にフラン高抑制のための為替介入を3年ぶりに実施したことを公表しました。悪影響の大きいマイナス金利導入にならない為にも出来る施策を行うということですので、一辺倒のスイスフラン高で安心しきるのはご注意ください。対ドルでも、対ユーロでもスイスフラン高はまだまだ是正される可能性がある高値圏です。
来週は8日水曜日にNZの金融政策会合が行われ、利下げが見込まれています。
当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。
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