9月18日、FOMCは25bpの利下げを決定しました。8月末のジャクソンホール会合でもパウエル議長が示唆したことで市場は事前に100%織り込んでいましたから市場には過度な反応はありませんでした。それでも発表後はアルゴの動きもあり上下しましたが、すぐに落ち着きを取り戻し発表前水準に。またFOMCではGDP成長率の見通しを上方修正し、インフレ見通しも引き上げるなど複数の指標で今回の利下げ決定と矛盾したタカ派な見通しを示したことから、次回以降は様子見色が強まっています。ドットチャートを見ると、年内後2回(50bp利下げ)の予想が出ていますが、これは1月まで限定的に政権サイドから指名されFRB理事となったミラン氏の以降による異常値と見られ、今回についても50bp引き下げを主張したのがミラン氏1人だったと思われることから、FRB内部の分裂懸念は後退し、独立性への信頼がやや強まり、ミラン氏の異端色が強まったような印象を受ける会合となりました。
また19日の日中に公表を控えている日銀は据え置きの公算です。10月初旬に発表されるGDP等の経済指標を見て判断する意向という表現もありますが、過去もそうであったように、政権空白になっている状況での経済政策の変更を留意したということかと思われます。植田日銀総裁の発言内容が今後の方向性を伺う大きな材料となりますので、19日15時半の会見こそ注目です。利上げへの意識が薄い内容となれば、地合い的に円安が進みやすくなりそうです。
その他、直近で利下げ幅と確率が高まったのは、NZドルです。18日に発表された4-6月GDPが前期比予想-0.3%に対し、結果-0.9%。前年比が予想±0.0%に対し、結果-0.6%と軒並み予想を大きく下回る悪い内容となりました。16産業中10産業で落ち込み、予想以上に酷い経済減退を確認する内容になりました。豪ドルNZドルでは豪ドルが続伸し、2022年10月以来の高値になっており、NZドル円も売られています。10月8日のRBNZ会合では利下げは確実視されており、一部では50bpの大幅利下げの予想も出ています。豪ドルも年内追加利下げの見通しではありますが、圧倒的に資源も少ないNZドルが分が悪い状況ですから、動きがストレートに表れている豪ドルNZドルペアのNZドル売りが引き続きトレンドとして分かりやすくお勧めです。
(参考)ETF等の処分に関する決定(2025年9月金融政策決定会合)
当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。
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