横尾寧子のFXのはじめかた

 先般から話題のTACO(Trump Always Chickens Out)トレードという造語、トランプはいつもビビッて引き下がるという意味で、大風呂敷を広げたと思ったら取り止めるといった行動が続いていることについてウォール街で付けられた皮肉めいたあだ名です。ご本人は酷く不快なようですが、そう言いたくなるマーケット関係者の気持ちは、投資家の皆様もよくお分かりかと思う数カ月が続いています。来週は再びの米中での関税に対する話し合いに期待が持たれつつありましたが、4日の東京時間午後(アメリカは深夜)にトランプ大統領が自身のSNSで「習国家主席のことは好きだが、交渉相手としてはタフでディールは困難だ」とつぶやき、それまでふわっと戻していたドルが、一気にドル売り優勢となりました。またビビるのか?米中協議の落としどころが見えていないのがひしひしと伝わってくる内容で、アメリカやドルに対する信頼の揺らぎが払拭できません。つぶやいた内容自体は中国から見れば賛辞、投資家には惨事か…。答え合わせは来週に。

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 先週から今週にかけてのドル円相場は、債券利回り上昇・債券価格の下落と、国債の評価損など日米欧の債券不安によるリスクオフ相場が円買いを助長し142円台まで円高が進むも、週初はEUへの関税延長に同意したことでリスクオンに。そして財務省が20205年度の国債発行計画の見直しを検討すると報じられたことで、長期国債の需給面の懸念後退によるドル買い、その後米景気減速懸念後退の流れ、そして米国の裁判所がトランプ米大統領が発動した関税を違法だとして阻止する判断を下したことで、一旦146円台まで買い戻されています。(この判決に米政権は即控訴)特に急ピッチの買いの背景には、月末要因と大きくドルショートに傾いていた相場の偏りも一因だったことが予想されます。

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 先週米中貿易協議で大幅関税引き下げが合意となり、目先の安心感が広がりドル円相場が一時148円まで上昇していましたが、16日にムーディーズが米国を格下げしたことで米財政懸念でドル売りが進み一転して財政不安のリスクオフムードが強まったのが今週の動きでした。格下げのインパクトは一瞬だったように思えますが、結局財政懸念が強まっていることで債券利回りが上昇し、債券利回りが上がっているのにドルは売られるという、株売り、ドル売りの「アメリカ売り」が強まっています。

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 今年の5月相場は意外にも米中貿易協議で「90日間の関税率大幅引き下げで合意」の発表を受けて株高、ドル高のリスクオン相場になりました。ドル円相場は4月22日の139円台から148円台まで上伸しましたが、貿易戦争の緩和期待への買いが一服したところで、次の目線は日米交渉への期待へと移って146円台まで一目均衡表の雲の下限を沿うように値を消しています。

 14日に韓国政府関係者がアメリカと5日にウォン相場について協議したという発言を受けて、対韓国ウォンでドルが急落し、円相場も連れ安してドル売りとなりました。来週行われると報じられている日米交渉で円安是正の動きがあるのではないかという思惑が高まってきています。米側はドル安政策を貿易交渉の一部にしないとしていますが、ひっくり返しあうのが今のトランプ政権ですから真に受けられません。むしろ円安是正を求めてくることへの警戒が根強く、押し目買いより戻り売り目線ですが、あくまで短期一択です。

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 比較的穏やかな相場展開だった今回のGW相場ですが、5月1日の日銀会合を受けて、日本の追加利上げが遠のいたことが確認され、8日のFOMCで3会合連続据え置き、利下げ期待が遠のいたことで円安に傾きやすい地合いが形成されたような印象ですが、さほど相場は反応していませんでした。ただトランプ大統領が8日(日本時間23時)に英国との貿易協定合意を発表したことで、米中交渉への進展期待も広がり、一気にドル円相場は146円台まで押し上げました。今週末の米中貿易交渉への期待と不安が強まる中、トランプ大統領は「今こそ米株を買うべきだ」と煽っていることから、何らかの合意が見られ、対中関税145%も引き下げられるのではないかという見込みが強いものの、その思惑について現状ホワイトハウスは否定している状況で、期待が剥落するようであれば来週の相場は一気に不安が強まりそうです。

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 月末を前にして、恒例の関税引き上げ発言かと思いきや、中国に対して今度は関税を今の145%という設定から50~60%に大幅に引き下げるという見通しが報じられたことで、世界の金融市場が経済減速懸念後退の安心感で買い戻されるという相場展開になりました。トランプ大統領の支持率が42%と2期目で最低記録が更新されており、方向性の軌道修正の必要性があるのかもしれません。とはいえ、まだ決定はしておらず、実際に本当に引き下げるかどうかは懐疑的であり、この材料1つで買戻しの動きが加速しているわけではなく、ミクロでもマクロでもなくトランプに引き続き警戒していく地合いが続きます。
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 16日、米パウエル議長による「米政権の関税措置による経済への影響は予想を大幅に上回る」という発言を受けた早期利下げ期待後退による米株売りのリスクオフの流れを受けて、ドル円は一時141円台まで急落しました。141円台を付けたのは、昨年9月30日以来です。

 その後は日米関税交渉への警戒も強まっていましたが、その関税交渉で最も警戒された為替相場について「今回は為替の議論は無かった」と報じられ、一旦安心感から142円台まで買い戻されています。為替については引き続き次回(月内)の交渉の席で取り沙汰されるというのが大勢ですが、現在の140円台も恐らく高く、まずは120-130円台を求められるのではないかという見通しが強いです。(ちなみに第一次トランプ政権の時は110円前後で長期間推移)

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 金融市場に主体性のない乱高下続いていますので、振り回されてちょっとケガされた方もいらっしゃるかもしれません。2017年当時のトランプ大統領の第1期の当時も、こうしたトランプ砲に振り回されることがありましたが、今回は威力が違いますね。こうしたことに対して何かを想定しても意味がありませんから、今の動きに理由付けするよりも、今後予定される事柄について考えていきます。

 今週波乱相場の最中に5会合連続の利下げを決めたNZは、政策金利は3.5%まで引き下げられました。まだまだ追加利下げ示唆ですから、発表後の動きもさえないものでしたが、直近の金融市場総反発を受けて買い戻されています。ただ、NZドルは通貨安、インフレ対応、関税政策対策を進めていますので、基本スタンスは下げ基調と考えています。過去20年のNZドル円の月足チャートで見ると、天井圏からの下げ基調は何度かありました。2007年の高値からの急落はリーマンショックを挟んだこともあり非常に大きなもので、約2年で54%の下落となりましたが、2014年の高値からの下げは37%の下落、途中の2017年の戻り高値からの下げであれば」29%の下落と、比較的下げトレンドが強まった時は一方通行的な動きになりやすいのがNZドルの特徴です。

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 今月のトランプ関税砲、特に最大に重い関税政策が発せられたことで、4月3日のアジアの金融市場は軒並み大幅安でスタートしました。
全ての輸入品に対し一律10%の関税を課す。
各国の関税および非関税障壁を考慮し、国・地域別に税率を上乗せしている。
 日本が24%
 中国が34%(中国は20%の税率に34%が上乗  
 せされるので、54%)
 欧州連合(EU)が20%
 英国が10%

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 月末恒例の翌月に向けた新たなトランプ関税砲が今月も発動されました。4月から輸入自動車に対して25%の関税を発動します。現行は2.5%ですから10倍の関税となることから、このところ堅調に戻していた株式市場はリスクオフの売りとなりました。ただ、為替にはリスクオフの動きは見られません。ドル円相場は150円乗せて小動きになっており、次の動き待ちでやや小康状態です。今週は月末・年度末最終週ですから、そういった事情を加味すると今のドル円相場の動きが本来のものではなく、年度末に絡む特殊要因の可能性がありますから、今の動きに素直に乗らず、新年度入りしてからのトレンドを判断していきましょう。

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