米ドルの復調で、ドル円相場の日足チャートでは9月24日のNY時間に200日線を上に突破してきました。7月末に一度上に突破する局面がありましたが、酷い雇用統計の結果を受けてすぐに押し戻されましたが、今回はどうなるでしょうか。2月に200日線を下回った時が152円台の水準でしたが、その後は現在まで実質上値を抑えられています。今回が一時的な突破かしっかり上に抜けて来るのかによってトレンドもまた変わってきそうですから注目しておきたいポイントです。
この円安基調が強まる中、クロス円もドル円の上昇がサポートして堅調な通貨が多い中、NZドル円は200日線を下回ってきました。クロス円通貨ペアの中でここまで下げが酷い動きになっている通貨は他に見当たりません。先週のコラムの最後でAUD/NZDペアについても書きましたが、今日は日足のチャートを参照ください。凄まじい右上がりの豪ドル高です。自国産業が弱く、自国民の他国への移住が増えて人材流出が強まり、経済のテコ入れが非常に厳しい状況が続いています。まだコツンと底打ちする様子もうかがえません。まだこの動きが続いていくことが予想されます。
今週は目立った為替のニュースが無い中で一番大きく報じられたのは、英ポンド下落懸念です。ポンド・オプション市場では、英政府が11月26日に発表する年次予算について懸念が強まっており、11月に満期を迎えるユーロ・ポンドのオプションの約80%がポンド安を見込んだものになっていると報じられています。ブルームバーグの予測では英財政は政府の財源不足を補うために年金、不動産、所得への増税が盛り込まれると予想しており、これが大きな重石になっています。加えてユーロの利下げが一巡したという見通しもユーロ高・ポンド売りという流れに繋がりやすくなっており、今秋はポンド売り圧力がより強まりやすい局面となっています。(財政問題が対岸の火事とはいえない日本の実情を考えると、英国民世論や他国との関係性と大きな視点で注目しておく必要もありそうですね)
ドル、ユーロ、豪ドルが堅調、ポンド、円、NZドルが軟調と強弱が分かれています。クロス円メインで見ていくかと思いますが、対象通貨の国の最大の貿易相手国との通貨ペア(ユーロドルとかユーロポンドとか)で見ると実際の動きが鮮明ですから注目して見て見て下さい。
当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。
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