トランプ政権の日本への関税砲を受けて「想定されていたよりはマシだった」、日本の利上げ圧力が後退したといった流れを背景にドル高・円安で一時147円まで上昇して三角持ち合いと日足の雲を上抜けしました。ただ発表された内容を見ると他国と比較しても日本に現状では憤りを持たれているのは明らかであり、8月1日の施行までの選挙で揺れる日本の政権がどう対応できるのか、まだまだひっくり返る要素が上下ともにありそうで、相場の流れをつかむのが難しい展開が続きます…。
今回は米ドル高でしたが、とはいえ、米政権側からの利下げ圧力も変わらず続いており、3%の利下げを求めるという具体的な数字も出てきていることから、上値を追うのは難しいという動きが続いています。全体的に円売りが続く中、ドル円の下値は支えられているものの、一段の買い威力もなく、方向感が出づらい動きが続くのではないかと考えています。
ユーロは7月1日に1.182の直近高値を付けた後のトランプによるドル買戻しで一旦値を下げましたが、高値圏で留まっています。
今週はその他意外な動きになったのが、豪ドルでした。7月8日に開催されたRBAの金融政策会合は事前の予想も25bp利下げでしたから利下げ前提で今後の方針を見ていくというムードが支配的でしたが、3.85%の据え置きが決定され、サプライズで豪ドル買いとなりました。豪ドル円は昨年秋以来の200日線にタッチしてきています。今日はトランプ政権が銅に対して50%の課税をし、銅先物価格は急騰しています。オーストラリアは有数の産出国なわけではありませんが、鉱物資源が幅広く眠っている資源国ですので、資源に絡む価格の上昇はマイナスではありません。ただ今回利下げの思惑があったことで、次回は一段と利下げ期待が強まることが予想されます。ただ、現時点で継続的な利下げを続ける可能性は薄いので、利下げ期待の売りが入ったところは買い場になるのではないか。
いずれにしてもTACOなんて言葉も生まれつつも、翻弄される関税砲・トランプ砲にまだまだトレンドが掴みにくい相場が続きそうです。
当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。
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