各国中銀がこぞってインフレ抑制の金融引き締め政策を続ける中、次のテーマとして急ピッチのインフレ加速による経済への不安が世界的に強まってきました。特にこのところ懸念が強くささやかれているのが英国経済です。
7月5日、英中銀は金融安定報告の中で「経済の嵐の備えるように銀行に指示をした」と公表しました。英国と世界の経済見通しは著しく悪化しており、ウクライナ戦争の長期化で一段とそのリスクを高める可能性があると促し、警告を発する内容です。またこの日は、ジョンソン英政権に大きな打撃となる2人の閣僚の辞任が報じられました。特にポンド売りの大きな要因になったのはスナク財務相の辞任です。先般も与党内からジョンソン首相の信任投票が行われ、薄氷で信任されるという結果になりましたが、この二閣僚の辞任をキッカケに、翌6日には副大臣級を含む40人程度の与党議員が政府の役職を辞任すると表明しました。