注目された6月のFOMCは、政策金利を5.00-5.25%で据え置きました。ゼロ金利解除をして以来、11会合ぶりの利上げ見送りです。この内容自体は予想通りであり特段のサプライズはありません。しかし、同時の会合の中でFOMCは年内あと2回の利上げを示唆し、これがサプライズとなって米株は急落しました。ただ、全体的に強いタカ派という内容ではなかったので株価も持ち直しましたが、先行きに不透明感を感じさせたのは「FRB当局者は2年半前に始まった今のインフレについての見通しを見誤った」とインフレについて楽観的過ぎたことを認めたことです。今回は政策金利を据え置いて、5%台の政策金利の利上げの累積効果を見極めるとしています。実際にFOMC結果公表前に発表さえたCPIは予想をやや下回るもので、これも据え置きの最終決定の背中を押したのかもしれませんが、コア指数は高止まりしています。このままインフレが止まらなければ据え置き分も含めた対応が必要になる可能性もあり、今回の決定が足を引っ張らないかどうか注意してみる向きが多いと思います。
横尾寧子のFXのはじめかた
FEDインフレ見通しの見誤り2023.06.16
ドル円のチャートが2021年以来の大きな変化(早見)2023.06.09
今週は都合によりこのコーナーは早見が執筆しています。
ドル円は再び円安基調が鮮明になってきました。5月末に140円台を回復しましたが、これで昨年10月の円安天井であった151円台から今年1月の127円台までの下げ幅の半値戻りを突破しています。月足チャートを見ると1月に127円台で底打ちした後、2月から5月まで陽線3本、陰線1本のペースで上げてきていますが、底値からこのパターンで上げてきたのは2021年1月に102円台で円高が大底を打って円安トレンドに大転換した時以来です。
ドル円高値警戒に当局の初動2023.06.02
ドル円相場が140円台に達したタイミングで、日銀・財務省・金融庁の三者会合が報じられドル高に冷や水を浴びせました。とはいえ、まずは姿勢を示しているだけですから、ドル円相場に大きな影響を与えたわけではありません。ただインパクトはありました。皆の頭によぎるのが昨年の介入です。昨年は145円を付けたところで当局は9月22日、24年ぶりの円買い介入を実施しました。ただその後は再びドル買いに拍車がかかり、151円円台を付けた10月21日のNY時間に覆面介入を実施し、これで円安は高値をつけてピークアウトしました。神田財務官がドル円140円を付けたところで為替についてコメントをしだすとその時がよぎりますね。まだコメントは穏やかで行動を示すようなものではありませんが、円安が続くようだと変化が出てくるので注意すべき水準に近付いていることは頭の隅に置いておきます。
FOMC議事録で追加利上げ思惑高まりドル続伸2023.05.26
合意できずに協議が続いている米債務上限問題が引き続き相場の足を引っ張っていますが、ドル円相場は高インフレ率を背景に堅調な動きが続き、半年ぶりに139.59迄上昇してきています。24日に公表された5月2-3日のFOMC議事録の中で、追加利上げについて当局者の意見が分かれたことが示されました。5月のFOMCでは25bpの利上げが全会一致で決定されたものの、6月以降の利上げ停止を示唆しておりドル円は直後に大きく値を消しました。ちょうど今回相場で2回目の200日線で上値を抑えられた局面です。この時は直前に米地銀のファーストリパブリック銀行が破たんしたこともあり、余計に先行き減速感を強める雰囲気もありましたが、今回公表された議事録では「数人の参加者がインフレ率の鈍化ペースが非常に遅いから今後複数回の会合で追加利上げが正当化される可能性が高い」とし、一方これを上回る数の参加者は経済の見通しに沿って進めば追加利上げは不要であるという意見でした。
年中行事、債務上限問題への警戒解除か2023.05.19
5月17日、バイデン大統領が債務上限問題について合意に達すると確信しているとコメントしたことで、市場がリスクオンに動きました。予定通り今週末のサミット出席のため来日し、帰国後21日に再び会見を行うとしています。なお、共和党のマッカーシー下院議長も21日までの合意は可能と言っていることから、ほぼこの問題が通過したと捉えて相場は動き出しました。
ドル200日線で再び抑えられる2023.05.12
4月末から5月月初にかけて好調な経済指標を背景にグンと値を伸ばしていた米ドルですが、1日にファーストリパブリック銀行の破たんが報じられ、また年中行事のような「米債務上限問題」が取り沙汰されるようになると失速し、137.77で前回3月の高値に顔合わせしたところで200日線に頭を押さえられ値を消しました。
目先の手がかり材料は無事通過しドル円回復2023.04.28
先週懸念していた米企業決算に絡む内容で、再び地銀不安が台頭してリスクオフになってきました。今救済不安が出ているファーストリパブリック銀行は週初に預金額が前年比で35.5%減少していることが公表され、さらに民間救済が失敗し、政府の管理下に入る見通しであることが伝えられると一気に不安ムードが広がりました。さらに一部の報道では、政府サイドが介入を望んでいないようだと伝えらえれ、不安感はまだ払しょくされませんでした。
相場は再び長引くインフレに警戒2023.04.21
先週はドルの軟調さが目立っていましたが、その後反転しドル円相場は再び135円台まで値を戻してきています。ただ、ドル円に限らず欧州通貨も堅調です。ユーロ円は緩やかな上昇が続いていますが、際立った動きになったのが英ポンドです。
欧州通貨は軒並み対円年初来高値2023.04.14
市場が大きく注目していたアメリカの3月消費者物価指数が公表され、前年比が市場予想の+5.1%を下回る+5.0%となり、9カ月連続鈍化が確認されました。インフレ抑制が確認されており、この点はFRBの進めてきた方針通りに進んでいる印象ですが、その代償としての景気減速感は強まる結果になりました。また減速感の大きな一助となっているのが銀行の信用収縮を背景とした需要の抑制がインフレをさらに押し下げるが、収縮によって企業活動を停滞させることにもつながっていきます。
米雇用悪化の確認となる注目の雇用統計2023.04.07
先週までの堅調な出直りが一転、今週のドル円相場はまた鈍い動きとなっています。4日に発表された米2月の雇用調査によると、求人予想が1040万人だったのに対し、結果993.1万人となり、2021年4月以来の1千万人を下回る結果となりました。直近では米製造業の国内回帰(リショアリング)も増えて国内の雇用創出につなげる方向性ではありますが、目先は求人の冷え込みが深刻なものになるのではないかという不安感から経済減速不安のリスクオフとなりました。とはいえ、3月の雇用統計を前に調整的な意味合いも強いですから、雇用統計で強い数字が出れば一気に巻き戻されることになると思います。目先的な動きですからあまり振り回されずに見ておきたいところ。