いよいよ新年度が始まります。去年からの流れを引き継ぎ堅調に来た年頭の1-3月相場が、アメリカの銀行破たんで一気に大きくトレンドを変える事態になりました。特に金利面の見通しが大きく変わったのは印象的です。年始はターミナルレートが今の予想よりも今後ますます高まるだろうと踏んでいたのが、一気にしぼみ、金利市場では一部7月の利下げ迄織り込まれています。とはいえ、7月に利下げをする必要があるとしたらよほどの事態ですから、今はまだそこまで深刻に織り込まずに続報を静観しておきたいところです。
横尾寧子のFXのはじめかた
過去から見る4月相場の傾向か2023.03.31
利上げ時代から次のフェーズへ向かう2023.03.25
突如発生した金融不安で預金保護を重点に当局者が早々の対応を続けるさなか、3月22日(日本時間)にアメリカでFOMCが行われ、25bpの利上げが決定しました。利上げは9会合連続で、金利は2007年以来15年ぶりの高水準に到達です。2007年ごろというと、やはり日本が低金利のままで外貨との金利差が注目され、ドル円・クロス円ともに幅広く円キャリートレードが続いてきた最終到達地点の年です。この年に124円の当時最高値をつけてキャリートレードは巻き戻され、よく2008年はリーマンショックとなりました。その2007年以来15年ぶりの水準です。
急転直下の小幅利上げと年内利下げ論2023.03.17
先週末にアメリカの地銀第18位のシリコンバレーバンクが経営破綻、もう1行相次ぎ、イエレン財務長官が未だ注視している金融機関が数行あると発言したことから、銀行信用不安が強まる急激なリスクオフムードが続いています。この流れは15日には欧州市場に広く波及し、欧州株式市場は全面安の展開となるなど、まだまだどこから火が上がるか警戒ムードが強い状況です。
雇用統計次第では再び大幅利上げの波か2023.03.10
22年3月、先進国でいち早く利上げに転じてインフレ対策を行ってきたカナダ中銀が3月8日の会合で政策金利を4.5%で据え置きに決定しました。据え置き自体は予想通りですが、依然としてインフレ対策を行っていく姿勢を示しており、今回をもって利上げ打ち止めではなく、さらなる利上げを含む声明でした。ただ、予想通りとはいえ8会合連続利上げを続けてきましたので、その流れが止まったことは素直にカナダドル売りで反応しています。
中国経済回復に好感も、全人代報道に注視を2023.03.03
先週末に発表されたアメリカの経済指標が好結果だったことから、ドル円は一段と上伸し、一時136.92の高値まで上昇しました。137円lowに200日線が推移していますから、あとわずかというところまで値を伸ばしてきました。昨年10月につけた最高値151.94から今年1月の安値127.21までの38.2%戻しが136.6ですから、ちょうど38.2%戻しにタッチです。
米金利上昇で一時135円乗せ2023.02.24
今月3日に発表された1月の米雇用統計以降、堅調・復調な経済指標が目立ち、2月21日に発表されたPMI、サービス業や総合指数は好悪分岐点の50を上回ってきたことで、米金利が上昇しドル円相場は一時135円台乗せとなりました。この水準は、昨年12月の日銀金融政策決定会合で日銀が長期金利の上限を0.25%から0.5%程度に拡大すると決定した時以来です。対して米株式市場は大きく値を消す、昨年インフレが深刻になると報じられるたびに見られた動きの再燃となっていますが、一先ずドル円相場は堅調な動きなので、引き続きまずは200日線を目先の目安に買い地合い継続です。
年内の利下げ転換懸念後退2023.02.17
先週末は、日銀の次期総裁に全く名前が取り沙汰されていなかった植田氏の指名報道で市場が波乱の動きになりました。現在の金融政策に対するスタンスが全く不明な状態での浮上でしたから、第一報に対するファーストアクションはドル売りの警戒ムードでしたが、同氏が記者団に対し「現状では金融政策の継続が必要だ」とコメントしたことで安心感から一気に買い戻しに。今週は改めて政府が正式に国会にて指名し、日本の日銀総裁人事は収束しました。就任後の最初の日銀金融政策決定会合は4月27-28日です。
3ヵ月続いた円高ドル安に変化か2023.02.10
相場の流れが変わるとき、それは色々な要素がありますが、今回は2月3日に発表された米1月の雇用統計が大きなトリガーになったようです。
1月の雇用統計はNFPが予想+18.5万人に対して、結果+51.7万人と予想を遥かに上回る好数値。特にこのところ報道で目立つのは大手IT企業の人員削減やレイオフだっただけに、この数値には大きなインパクトがありました。失業率は予想3.6%に対して、結果3.4%と1969年5月以来約53年ぶりの低水準まで低下するという記録的な数値です。半世紀ぶりの好結果にドル円相場は一気に21日線を突き抜けて130円台乗せとなり、週明けには窓を開けての高値132.90迄上昇しました。
ユーロドルの戻りを参考に2023.02.03
アメリカは1日、今年最初のFOMCで政策金利を予想通り引き上げる決定をしました。利上げ幅は25bpで2会合連続で利上げ幅縮小したことも予想通りです。今回の決定で政策近位は4.50-4.75%となりましたが、FOMCメンバーが想定する年末の政策金利推移が5.1%であり、パウエル総裁は関係の中で「後2回ほどの利上げを協議中」であるとしました。米株は会合まで大きく値を消していましたが、会合が通過して議長会見が行われる中で値を戻す動きになりましたが、ドル円は一時130円台まで戻していたのが再び128円台まで値を消し、151円からの高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを突破していたが勢いは続かず、21日線に頭を抑えられて再び失速の動きになっています。
カナダが先じて利上げ幅縮小へ2023.01.27
1月25日に行われた金融政策会合で、カナダ中銀は25bp、政策金利4.5%を決定しました。利上げは8会合連続、利下げ幅はこれまでの50bpから縮小しました。加速するインフレに対応するために急ピッチでの利上げを行ってきたが、今年はインフレが落ち着く見通しであることを述べ、利上げの打ち止めを示唆しました。また総裁発言の中では経済が強いこと、状況に応じた対応をすると今後の利上げの可能性を100%消すものではなくバランスの取れた内容でした。既に予想されていた内容で決定されたことから、カナダドルは大きな下落等にはなっていません。