8月に入りましたが、相場は夏枯れどころか材料も飛び出し大きく動く地合いが続いています。ドル円が21日線を抜いて一気に上昇してきました。相場の流れが変化したのは、先週木曜日の深夜(日本時間29日の深夜2時頃)、日経新聞がオンラインで日銀のYCC修正について報じ、NY時間に一気に円高にブレました。日銀会合当日は12時28分にYCC修正の決定が報じられ、東京時間中は乱高下した動きになりました。ただ、欧州時間からは材料出尽くしもありじりじりと買い戻しの動きが強まり、週明けには21日線を上に突破し上昇に弾みが付きました。
全体相場では格付け会社のフィッチがアメリカの国債格付けをAAAからAA+に引き下げると発表し、これを受けて米国株はリスクオフの流れが続いています。久しく無かった格下げによる相場の混乱が再来です。
この格下げについてはイエレン財務長官をはじめ、米金融機関のトップなども続々批判的なコメントを出して「(格下げが米経済の)問題にならない」と発言を繰り返していますが、株式市場はまだリスク回避の動きが続いています。
2011年8月6日にS&Pが史上初の米国債格下げを発表した時は世界同時株安となり、新興国はドル売り介入で防戦、CB発動等ありましたが、今回は市場経済その当時比べて格段に良いこともあり、そこまで大荒れの動きは引き起こしていません。(ちなみに当時のドル円は78円台!)むしろ今週末に発表される雇用統計を前に、民間指標のADPの7月雇用者数が予想18.9万人増に対し、32.4万人増と2倍近い伸びを見せ、雇用統計への期待につながりドルを押し上げる展開です。この週末発表される7月雇用統計の予想は、NFPが前月をやや下回る20.0万人増、失業率は3.6%となっています。堅調であればドル高地合いはもう一段続き、日銀及び財務省がまたドル円相場について何かしらのプレッシャーをかけてくる地合いに入ります。さらに一段の利上げが続くわけではなく、円相場の観点からもスルーしづらい円安水準です。長期のドルポジションで売りそびれているものがあれば、この戻りを利用して売却しておきたいタイミングと言えそうです。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
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・出版社 : 株式会社西東社
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