追加利上げの余地を残す2023.09.15

 来週のFOMCを前に、今週は米8月CPIが公表されました。概ね予想に近い内容でしたが、コア指数の前月比は予想+0.2%に対して、結果+0.3%、前年比は+4.3%で予想と変わらずでしたが、約2年ぶりの小幅上昇にとどまるまちまちの結果となりました。とはいえ概ね強い数字であることから、高インフレが鎮静化したとは言えない状況を示し、更なる追加利上げの期待を残す結果になったと市場は踏まえています。来週控えているFOMCでの利上げは据え置きが確実視されましたが、追加利上げの議論は引き続き続きそうです。
 ドル円相場はこのところ148円台乗せのトライを何度か跳ね返されていつつも、146円台で底堅い展開が続いています。今の底堅さはドルが強い以上に円が弱いことの反映と言えそうです。
 
 今回の米CPIは原油高が大きく寄与していますが、この堅調な原油相場でカナダドル円にも動きが出ています。108円ミドルで高値を押さえていたカナダドルが、直近に上にブレイクして7月5日以来の109円台乗せです。カナダドルは対ドルでも急伸して、ドルカナダのチャートを見ると、6月1日以来の21日線下抜けのカナダドル高米ドル安になっています。このまま原油高地合いが続いていくとなると、アメリカのインフレも注目されますが、原油高の恩恵をストレートに受けるカナダドルにも注目が怠れません。カナダ中銀は9月6日の会合で政策金利を5.00%に据え置いたばかりで、次回は10月25日ですから、金利動向に右往左往させられないこの期間はチャートに沿って乗ってみたい動きになっています。
 
 その他今週気になったのは、英国の不動産市況の悪化です。14日に発表されたRICS住宅価格指数は予想-56を下回る-68となり、前月の-55からも大幅に悪化し、2009年2月以来の最低となりました。また英国の住宅ローンの滞納が増えてきているという報道もあります。直近では前年同期比の30%増で、約7年ぶりの高水準になっていると報じられています。住宅市況の悪化は住宅ローンの金利上昇と経済の先行き不透明感で需要減退につながっているという深刻さです。今はまだ英ポンドが売られているようなチャートはどの通貨に対してもあまり感じませんが、投機的な性格のポンドなので動き出したら怖いなという目線でホルダーは注意してください。BOEも来週21日にMPCがあります。市場の目線は据え置き予想が強めです。
 
 
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
 

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