秋相場に突入へ2023.09.01

 先週末のジャクソンホール会合は、発言内容を見るとそこまで突っ込んだ話をしたわけではありませんでしたが、講演後じりじりと「データ次第で追加利上げ」というこれまでと変わらぬ発言をトリガーにドルが買われていき、8月29日には対円で147.37迄上昇しました。全体的にもまだドルが強い地合いが続くだろうという印象を残すものでした。
 ただ、直近ではアメリカの経済指標が振るわずにドルがやや売られました。8月30日に発表された4-6月のGDP改定値は速報値の+2.4%を下回る+2.1%となり、中でも設備投資は速報値+7.7%を大きく下回る+6.1%となりました。週末に控える雇用統計の前哨戦であるADPも予想を下回る+17.7万人となり、ドル売りにつながりましたが、経済指標の結果での相場の変動は想定範囲内です。むしろ、これ以上積極的にドルを売れるかというと、その材料がありません。ゴールドマンサックスも今週、「日銀がこれまでのように動かなければ」という前提に今後6カ月でドル円155円予想という見通しを出しました。155円というと、90年6月以来の水準です。このまま円安が進めば、一段と日銀に対して挑戦・挑発するような内容が強まりますが、当局が特段の発言をしてこないようになるとサラッと150円回復が見られそうです。今は円安と資源価格の下落で貿易面的には良い状態であり、円安を背景にした海外観光客の増加も無視できません。さりとて景気負担も増えているなかですから静観は出来ず、介入タイミングも難しいですね。
 
 今週末は雇用統計です。NFP予想は+16.8万人(前月は18.7万人)、失業率は3.5%(前月同)、平均時給は予想0.3%(前月は0.4%)となっています。雇用統計まではドルから目線を転じて200日線で反転したユーロドルのユーロ買いも妙味かなと思います。雇用統計を通過して、ドルの次の流れを見ていきましょう。
9月4日のレイバーデーが過ぎると本格的な秋相場突入です。金融市場が1年で一番騒がしい時期に入りますから注意していきましょう。
 
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
 

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