実体経済が織り込みだす2020.05.08

 コロナショックが中国で発覚したのが1月、欧米に拡大したのが3月、日本が非常事態宣言を発布したのが4月と今年の上半期はコロナ一色になっていますが、為替相場を見るとその結果がじわじわと表れています。

 ドル円相場で見ると、コロナショックが欧米で深刻化し始めた2月下旬から3月初旬にかけて大きく円高になったものの、その後は対策し始めたことで一旦反発。これは自律反発の範囲内とも言えますね。しかしそこから現実を見始めた為替相場は、じわじわと円高基調です。ドル円相場は直近安値の3月9日の101円に対し、一時111円まで反発したものの、現在105円台示現。

 ユーロ円はさらに酷く3月6日に116円の安値を付けた後121円まで反発しましたが、ずるずると安値を更新して114円台まで下落してきて、2017年4月以来の安値水準となっています。この2017年4月というのは、長年続いた欧州の量的緩和の出口戦略を模索する中で、ドラギ総裁をはじめECB要人が早期の出口戦略期待を一蹴したことによる期待剥落に売りに加え、米国のシリア空爆やフランス大統領選挙、英国の総選挙の前倒し実施表明など欧州を中心にリスク拡大した時期になります。それ以来のユーロ安。欧州は独憲法裁判所がECBの量的緩和は一部違憲だと問題視するなど、想定外の綻びが出てきている印象です。複合通貨の怖さを再度思い知ることになるかもしれません。

 新興国通貨も酷い動きになっています。トルコリラは14円台に突入し、2018年のリラショックを下回る安値になっていますし、南アフリカランドも5.52円台まで下げて過去最低を更新する動きになっています。各国軒並み利下げも続けていることから、一段と深刻な動きになりそうです。

 世界中のロックダウンが解除されるようになると一旦持ち直しの動きも出てくるかと思いますが、そこは戻り売りのポイントになるのではないかという印象です。

 さて今週5月8日(金)に米4月の雇用統計が発表になります。すでに前哨戦といわれる民間雇用統計のADPですさまじい数字が出ていますので、さほどのインパクトは警戒していませんが、予想数値はNFPが-2100万人、失業率は16%(!)です。失業率は1982年11月に記録した10.8%をという悪い数値を上回りそうです。

 ※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートを抜粋しております。

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