引き下げ発言に急騰も懐疑的2025.04.25

 月末を前にして、恒例の関税引き上げ発言かと思いきや、中国に対して今度は関税を今の145%という設定から50~60%に大幅に引き下げるという見通しが報じられたことで、世界の金融市場が経済減速懸念後退の安心感で買い戻されるという相場展開になりました。トランプ大統領の支持率が42%と2期目で最低記録が更新されており、方向性の軌道修正の必要性があるのかもしれません。とはいえ、まだ決定はしておらず、実際に本当に引き下げるかどうかは懐疑的であり、この材料1つで買戻しの動きが加速しているわけではなく、ミクロでもマクロでもなくトランプに引き続き警戒していく地合いが続きます。

 ドル円相場についても直近で140円割れ示現となり、円高警戒が株価を押し下げる動きになっていましたが、米ベッセント財務長官が日本に対して通貨目標を求めないとコメントしたことで、リスクオフの流れが解消し、一旦143円台まで跳ね上がりました。1月の高値158円アッパーから、安値139円アッパー迄20円近い下げ局面を見せたので、目先は戻りそうですが、あまり期待してロングを持つと早々にやられそうなイメージです。戻りの目安として158円からのフィボナッチリトレイスメントを引くと、38.2%戻しが147円になりますが、ここまで戻すのは容易ではないだろうという印象です。反発局面があっても、崩れた相場であることには変わりなく、トランプのパウエル議長の戦いも勃発し、トランプの利下げ圧力を考えると買い上がれる地合いではない。

 さて、今週末からゴールデンウィークです。来週は休場も1日と短く、例年に比べて小型連休の様相ではありますが、この日本だけが休みの5月は何かと材料がポンポン出がちな印象です。かつての米中関税戦争でのファーウェイ制裁が出たり、ポンとRBAが大幅利上げなどを入れてきたのも5月頭でした。なので、あまりアクティブなポジションを放って休みモードになると怪我しやすいですから、しっかり整理するなり自動ロスカット入れるなり対策をしてお休みをお過ごしください。

 今週末のカナダ総選挙、週半ばの日銀会合と日米関税交渉2回目、そして来週末の豪総選挙と手掛かり材料は溢れていますので、ご注意ください。

当レポートは今週木曜日発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

 

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