NZドルの弱さ際立つ2025.02.28

 今週は全体的にリスクオフの地合いが強い金融市場全般の中で、目立つ動きになっているのが円の強さです。ドル相場は完全に150円台を割り込み、現在148-149円台で推移しています。148円台半ばに強力な下値の抵抗ラインがあって支えていますが、これを下に割り込んでくると、下げピッチが進みそうです。21日線は200日線にデッドクロスし、週足の一目均衡表は雲を下抜けとなっており、トレンドは下目線。米経済指標等は、利下げの先送り(高インフレ継続)になりそうな好数値は一時的な買い材料になれど長続きしづらく、むしろ景気後退懸念、追加利下げ期待の追い風になるような鈍化した数字が出て来ると、それに乗じてさらに下方トレンドが強まりやすいという印象です。まずは148円半ばの下支えをいつ割り込むか、大いに注目しています。

 さて、先週末はドイツの総選挙が行われました。結果は予想通り、かつてメルケル元首相も率いたキリスト教民主社会同盟(CDU)が政権復帰し、第2党に躍り出たのがドイツのための選択肢(AfD)、極右政党です。前政権の社会民主党(SPD)は第3党にまで票を落としました。ここからは、日本人からすると意外に長い連立協議に入ります。極右政党が政権に入ることは現状無いとされていますが、ひとまず主軸を中道右派のCDUに戻したことは経済的には安心感になりそうです。しかし、欧州全体で見ればここからも問題が山積みで、トランプ大統領はユーロ圏からの輸入に25%の関税をかけることを直近で宣言しています。この関税が経済に対してプラスかマイナスかという判断は難しく方向感はありませんが、全体的な印象は「いつ関税が飛び火するか」という不安が引き続き各国での景観感を強めることになっており、プラス材料とは受け取られにくい情勢といったところでしょうか。ユーロドルは日足で雲上抜け、ユーロにポジティブな動きになっている一方、ユーロ円週足は三角持ち合いの下抜けをうかがうような動きが続いています。さらに来週はECB理事会を控えていますので、下攻めの動きが出るかも期待していますが、あやふやな方向感なのでユーロには手出しせず経過を見ていきます。

 引き続き弱いのはオセアニア通貨。特に追加利下げを示唆しているNZドルの弱さは際立っています。週足チャートでは昨年8月大きな下ヒゲがありますが、これは株も他の通貨も同じで一瞬で下げを戻した下ヒゲです。注意したいのは、週足のローソク足の実体で続々と前の下値を割り込んできている弱さで、先進国通貨のクロス円の中でも際立って弱いです。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。

 

◇◆◇横尾寧子監修の書籍のお知らせ◇◆◇

ゼロから始められる!マンガFX超入門

FXアドバイザー横尾寧子の監修した新刊がこのたび発売されました!

この度、新しいFXの書籍の監修をさせていただきました。
FXをマンガで解説、分かりやすくFXの仕組みやノウハウがまとめられています。マンガと侮るなかれ!初心者の方がFXを始めるのに抑えておきたい情報はしっかり収めた1冊になっています。
これまで多くの書籍の著者・監修と携わらせていただきましたが、過去最高に分厚い一冊になりました。お手に取っていただければそのずっしりとした情報量を実感していただけると思います。文字も大きくて見やすく、FXをするお隣にそっと置いていただける1冊になりました。
多くの投資家の方に手に取っていただければ幸いです。

・発売日 : 2023年1月25日
・出版社 : 株式会社西東社

 

インターネット有料情報(コラムページ用)インターネット有料情報
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら