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経済指標から見る減速が始まった2020.03.27

 日を追うごとにコロナウイルス禍が深刻度を増している状況ですが、中国・イタリアと感染の中心が移りかわり、今はアメリカが最大の中心国になると懸念されています。すでにNY、カリフォルニア、イリノイ州は外出禁止の対応もされていますが、これに伴いレイオフや解雇が続々と深刻化してきました。一部の話では、外出禁止のNYの飲食店では95%が従業員を解雇したといわれています。

 アメリカが週次で発表している指標の1つに「新規失業保険申請件数(initial Claims)」というものがあります。その名の通り1週間の失業保険の申請件数を公表するものですが、目安として30万件を下回ると労働市場が力強い、40万件が景気減速を示す分岐点になると言われています。

 それが子までの指標判断の目安でしたが、昨日発表された先週の新規失業保険申請件数は、予想100万件に対して、328万件!失業保険の継続受給者も180万人いるわけですから、この失業保険を受ける対象の労働者だけでも500万人以上が失業しており、さらにこの数字は拡大する。そして、この対象外の労働者も当然いるということは非常に厳しい状況を伺わせます。尚、この新規失業保険申請件数の統計開始は53年前で、これまでで最もひどい数字だったのが第2次オイルショックの影響が残っていた1982年10月時の69.5万件でしたから、過去の歴史をすさまじい規模で塗り替えたことになります。

 こうした数値が月次の雇用統計への悪化にもつながります。3月の雇用統計は、来週3日に発表されます。現在でも悪化が大前提ではありますが、雇用統計算出にはサンプル指標として毎月12日の週を含む失業保険申請件数などを採用しています。3月のその時期はコロナ禍がアメリカに広く蔓延する直前ですから、それをサンプルとした今回の雇用統計は想定外の悪化は見込まれません。そのような観点から、3月の雇用統計よりも、むしろ5月1日に発表される4月の雇用統計に注意を怠らないようにスケジュールに入れておいてください。

 不安感は株価からいよいよ実体経済の数値に表れる段階に移っていきます。ドル円は111円台に乗せていくも、長期の上値抵抗線で一旦押し戻されています。日足チャートも101円の安値からV字の切り返しになっていましたが、目先はサポートを割れてきました。アメリカがコロナの中心地になるという懸念からドルストレートも他通貨の買戻しの動きが顕著ですから、ドル円の押し目買いの今は見送りで週末に控えておきます。

 ※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートを抜粋・追記しております。

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