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日経平均の異様に偏った上げには注意2025.10.31

 高市政権は安倍政権以来の国民の期待感の高まりであると同時に、1972年に誕生した田中角栄内閣発足の時と同じ空気だと前回書きました。

 日経平均は今週ついに5万2300円台まで上昇して、史上最高値を更新しました。10月18日の早見の東京セミナーで、今後の日経平均について「5万3000円台から5万4000円のレベルを目指していく上昇トレンドだと考えても的外れではない」とお話ししました。その時が4万7500円台でしたが、あれよあれよという間に5万2300円台まで来ており、セミナーでお話しした目安も視界に入ってきました。

 10月18日の東京セミナーで改めて解説しましたが、日経平均の月足は4月から今月で7ヵ月連続陽線〇です。7ヵ月連続陽線というのは過去20年間で2回ありましたが、4月から10月までの期間での7ヵ月連続陽線というのは、1972年以来53年ぶりのことです。

 1972年というのはカネ余り状態で前年の11月から月足の陽線が始まり、72年に入ってから更に上昇していきましたが、72年7月に田中角栄内閣がスタートして、「日本列島改造論」をぶち上げ、これがさらに株や不動産、商品の価格を押し上げていき72年12月まで株高が続きました。結局71年11月から72年12月まで、なんと14ヵ月連続陽線〇というすさまじい記録を作りました。

 それを踏まえると、高市政権誕生の空気感が田中内閣の時と同じだというのは偶然ではありません。高市首相も田中元首相も世襲政治家ではなく、「コンピュータ付きブルドーザー」と称されて、非常に多くの議員立法を実現した田中元首相と同じく高市首相も猛烈な仕事人間です。

 あの空前のバブル相場の時でも日経平均は9ヵ月連続陽線であり、田中内閣の時は池田内閣がぶち上げた「所得倍増計画」による高度経済成長の1960年6月から61年7月までの14ヵ月連続陽線と並ぶ空前の株高局面でした。ですから今目の前で起きている株高を甘く見るわけにはいかないとお伝えしてきました。

 小泉郵政改革相場、アベノミクス相場のスタート、日本列島改造計画、所得倍増高度成長も共通しているのは、国策を背景に株価の強い上昇が作られたことです。今回もカネ余り状態の中で高市政権のサナエノミクスと言われる積極財政政策が追い風になると期待されます。

 とはいえ今週は日経平均がアドバンテストだけで1,000円以上も押し上げられて一気に5万2300円台に急上昇という異様な形になりました。このような異常な偏りはけっして好ましいことではありません。バブル相場の末期の時も見られた現象です。行き過ぎた日経平均の引っ張り上げに対する反動には注意しておくべきです。

※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・加筆したものになります。

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