前々回の当コーナーのタイトルは「日米株価の悪い形を覆せるか力試し」前回のタイトルは「悪い形を覆すか、クリスマスラリーに注目」としました。米株はNYダウが、ザラ場ベースでみると11月20日の最安値から12月3日の高値までで2241ドル急上昇しました。これで11月12日の史上最高値からの下げ幅の82%を戻しました。SP500指数は10月29日のザラ場での史上最高値から11月21日の安値までの下げ幅に対して、今週は85%を戻しました。ナスダック指数も今週は10月29日の史上最高値からの下げ幅の76%を戻しました。米株は、NYダウやSP500指数が早くも史上最高値を更新してもおかしくない位置まで来ています。
またNYダウとSP500指数、ナスダック指数は、いずれも今週は週足チャートで2週線と5週線がゴールデンクロスしてきています。まさに当コーナーのタイトルで示してきたように、これまでの悪い形をクリスマスラリーで覆しにかかるかのような形になっていますので、いよいよ注目ポイントを迎えました。
今月はFOMCでの利下げ確率が80%以上に達しており、利下げ期待が米株を支えています。おりしも今週はトランプ大統領が、次期FRB議長に積極緩和派のハセット氏を指名する可能性があると述べました。
日本株は日経平均が11月4日のザラバでの史上最高値5万2636円に対して、今週は5万599円まで戻してきましたが、まだ2,037円も開きがあります。これに対して日経平均に比べて相対的に強かったTOPIXは、11月13日のザラ場での史上最高値3,389ポイントに対して、今週は3,386まで戻して最高値まであと3ポイントに接近して、史上最高値を抜きました。
日本株の問題は、米国とは逆に今月日銀が利上げを実施する可能性が大きいことです。それを踏まえてこのところ銀行株の値上りが目立ち、早見が取り上げてきた銀行株は軒並み新高値になっていました。市場はもはや利上げは確実という見方をしています。
しかし実際にここで利上げに踏み切った時にその副作用が心配されます。高市政権の積極的な経済成長策で日本の経済成長や企業業績が伸びていくのは好ましいわけですが、果たして株式市場が波乱なく利上げを吸収できるかどうかです。米国は利下げ、日本は利上げですから資金の大きな流れに影響する可能性はあると懸念が出ていますが、高市政権への期待も大きく、利上げへの懸念を吹き飛ばして株価が崩れなければ、弱気派がまた買い戻しを余儀なくされる展開も考えられます。
※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・加筆したものになります。


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