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アク抜けになるかどうか2019.05.10

ゴールデンウィークを挟んで内外の動向が注目されましたが、外部環境ではアメリカとイランとの間で緊張が高まり、ホルムズ海峡の地政学的リスクが出てきていました。続いて北朝鮮がミサイルを発射し、これも不安を投げかけました。

連休明け世界の市場を直撃したのは、トランプ大統領が10日から中国に対して関税を引き上げると表明したことです。米中貿易協議はこれにより一気に先行きへの不安感が高まり、協議は決裂するのではないかという観測で、世界連鎖株安の形になり、リスク回避の円高も進みました。

NYダウは昨年12月の底打ち以降で初めて52週線を大きく下回りました。S&P500指数も3月半ば以来の26週線割れとなっています。

日経平均も連休明け初日から崩れてしまい、連休直前の4月26日の終値2万2258円から、5月9日には2万1300円台まで急落してきました。

新元号が決まり、5月は令和時代最初の取引になったわけですが、このようにアメリカを中心とする様々なリスクが世界の市場に不安感を与えています。

日経平均以上にTOPIXの下げはきつく、2月12日以来の安値まで下げて来ました。今週は日経平均とTOPIXの週足MACDも下向きに転じています。昨年12月の底打ち以降ここまで、日経平均は短期的な一過性の調整で終わり、その都度また値上がりに転じていましたが、今回の場合は3月上旬以降、TOPIXが1630ポイント前後のところで何度も高値を付けて強力な上値抵抗ラインを形成し、その上での崩れとなっていますので、一過性の調整で済むかどうかは微妙です。

米国は予定通り中国に対する関税引き上げを実施しました。これがアク抜けになるかどうか注目されます。

※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから追記・抜粋したものになります。

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