昨年12月に早見の東京セミナーで2025年のキーワードは「崩れる年」と発表して、それにふさわしい崩れが色々なところに起こるとお伝えしました。
7月20日投票の参院選では、自民党の大敗が予想されています。今週発表された読売新聞の最新調査では、自民党は1989年に記録した過去最低の36議席をも下回る可能性も出てきたとのことです。もちろん選挙は水モノであり、報道機関の情勢調査が外れることもありえます。
早見は日本の政治に関して、毎月の東京セミナーで重要なことを数年前から色々明確にお伝えしてきました。簡単に要点だけひとことで振り返っても、ここまで早見がとらえてお伝えしてきたとおりのことになっていることがお分かりいただけると思います。
◎ 22年5月セミナー
「日本は令和の南北朝時代と言える真っ二つの対立の時代になる。愛国対売国、右対左、日本人対外国人等々」
◎ 24年5月セミナー
「今の政治状況は、国民の政府に対する認識が2009年の政権交代の時と同じ空気になっている」
◎ 24年9月セミナー
「自民党総裁選で高市は勝てない。しかし石破では選挙に勝てない」
実際昨年9月の自民党総裁選で、予想通り高市さんは負けましたが、石破首相がその後の総選挙で敗北して少数政権に転落。今年の都議選も大敗しました。今回の参院選は、この記事を執筆している時点では結果は出ていませんが、やはり大敗が観測されています。昨年9月の東京セミナーで「石破では選挙に勝てない」と明言した通り総選挙、都議選、参院選と3連続三振でスリーアウトということになれば「仏の顔も三度まで」という言葉もある通りです。
前回も書いたように減税を求める声の大合唱なので、さらに弱体化する政権の下で参院選後に減税=財政悪化の不安が一段と高まり、万が一日本の長期金利の上昇と円安に歯止めが効かなくなると非常に厄介なことになります。今週も東京市場では債券が下落して、10年国債の利回りは17年ぶりの水準まで上昇しました。同時にドル円は一時3ヵ月ぶりに149円台まで円安が進みました。債券と円が同時に売られて、金利上昇&円安というのは危険な流れです。幸い日本の株価は崩れていませんが、万が一株価も崩れたら債券安、円安、株安のトリプル安という最悪の事態になりかねません。
1989年以降だけ見ると、参院選で与党が過半数を維持した場合と過半数を割り込んだ場合とでは、明らかに過半数を割り込んだ場合日本株は低迷が長引くとの指摘があります。トランプ大統領も予定通り8月1日から日本に対して25%の関税をかける模様であり、政治の混迷が日本株の頭を抑えることは十分に考えられます。「崩れる年」にふさわしい選挙結果や市場の動きがハッキリするかどうか要注意です。
※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋ものになります。