米市場では9月にFRBが0.25%の利下げを実施することを織り込む状況になり、米株はSP500指数とナスダック指数が史上最高値を更新。日本株もTOPIXと日経平均が史上最高値を更新しました。日米ともに強い値上がりを見せています。前回当コーナーのタイトルは「上昇基調に素直に乗る相場」と書いておきましたが、まさにその通りの状況になっています。
8月は季節的に株価は下がりやすいという経験則を持ち出して、弱気になって売りに回っていた投資家が多いと思いますが、そうした人々が予想外に強い株価に慌てて買い戻しに追い込まれていく、典型的な踏み上げ相場の様相です。
株価が非常に強い上昇を見せてくると、多くの投資家が気にするのが逆張り指標です。しかしこれにも落とし穴があります。例えば代表的な逆張り指標のひとつであるプライム市場の騰落レシオを見ると、8月13日の終値で155.2%まで上昇してきました。これは2017年5月25日以来8年3ヵ月ぶりの水準です。ではこれが本当に過熱で危険と言えるのかとなると問題があります。
2017年5月25日の日経平均の終値は1万9813円でしたが、その後6月2日に一時2万239円まで上昇。6月20日に2万318円までさらに上昇しました。ごく短期的に見ても、過熱水準に入ったと言っても、だからそれでもう上昇基調が終わりとは言えない場合があります。したがって上昇基調が強い場合は、逆張り指標を鵜呑みにして売りに回ると、それが「飛んで火に入る夏の虫」ということになりかねないので注意が必要です。「相場は相場に聞く」という柔軟な姿勢が大事になります。
確かに日経平均は今週13日までの上昇で、日足チャートでは6日連騰、7日連続陽線、3日連続窓空けという形での史上最高値更新で、騰落レシオも8年ぶりの高水準になっていますから、さすがに急ピッチな上昇に対して警戒感が出てくるのは当然で、下げてもおかしくありません。しかしそれが強い上昇相場の終わりと断言できるかは別問題で、単なるガス抜きのひと休みということになる可能性も頭に入れておかなければなりません。
早見は昨年12月の東京セミナーで、「上昇トレンドに変わりなければ、2025年の日経平均は4万4500円を目指す」という上値の目安を発表しました。今週は4万3400円台まで上昇してきたので、あと1100円ほどです。年内に達成できない水準とは言えません。
日経平均の月足チャートを見ると、今月は6ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしてきました。前回は一昨年3月末に2万8041円でゴールデンクロスして、そこから昨年7月の高値4万2426円まで51%上昇しました。4万4500円を目指していくと見るのは大げさな事ではありません。
※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋ものになります。