当コーナーで繰り返し書いたように、日経平均は大きな上昇トレンドの中での当然の調整場面というとらえ方をしていたわけですが、直近では4万3800円台の史上最高値をつけてから4万1800円台まで下げました。日経平均の日足チャートでは、4月の暴落以降で初めて終値で25日線を割り込みました。
しかしそのまま崩れずに踏みとどまり、今週は4万4800円台まで上昇して、一気に1年2ヵ月ぶりに史上最高値を更新しました。9月から10月にかけては1年で最も株価の崩れに警戒しなければならない季節ですが、米株も今週はNYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って史上最高値を更新しました。
日経平均の月足チャートでは8月末で6ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしました。前回は一昨年3月末に2万8041円でゴールデンクロスして、そこから昨年7月の高値4万2426円まで1年4ヵ月で51%も上昇しました。
また今月は月足チャートのMACDもゴールデンクロスしてきました。こちらは前回は一昨年5月末でした。今回と同じく6ヵ月線と12ヵ月線のゴールデンクロスより1ヵ月遅れでした。前々回は2020年9月末に2万3185円でゴールデンクロスして、そこから2021年のダブル天井の高値3万700円台まで32%上昇していきました。
このように日経平均の月足チャートでは6ヵ月線と12ヵ月線およびMACDの2つのゴールデンクロスが実現しているので、過去の例から見てこの史上最高値更新から更に一段と上昇していくことが期待される形です。季節的に暴落が起こりやすい秋相場ですが、その中でどこまで行けるか力が問われます。
早見は昨年12月の東京セミナーで、「2025年の日経平均は、上昇トレンドに変わりなければ4万4500円を目指す」という見方を発表しました。今週4万4100円台まで来ましたので、目安達成まであとひと息です。
ちなみに日経平均の月足チャートでは4月から8月まで5ヵ月連続陽線〇となりました。このパターンは戦後1972年と79年、2009年の3回ありました。今回で4回目です。過去3回は1972年と79年は9月相場も陽線〇でした。そして3回とも全てその年の年足は陽線〇でした。今年も今のところ今月は6ヵ月連続陽線〇です。このまま確定すると、1972年と79年に続いて戦後3回目となりますが、では10月相場はというと1972年はその後12月まで全て陽線〇でした。79年は10月が陰線●でしたが、11月と12月はまた陽線〇でしたから、10月の陰線は単なるひと休みでした。日経平均の月足陰陽も強い形です。下げ波乱が起こりやすい秋相場ですが、過去の例からすると秋の下げ波乱は絶好の買い場を提供する可能性もあります。下げ波乱に注意は怠れませんが、強い流れには乗っていくのが基本です。
※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋ものになります。