米株はSP500指数とナスダック指数に続いてNYダウも史上最高値を更新しました。日本株もTOPIXと日経平均が史上最高値を更新しましたが、さすがに高値警戒感が出てきて、今週は日米ともに調整色を強める動きになりましたが、前回も書いたように、急ピッチな上昇に対して警戒感が出てくるのは当然です。しかしそれが強い上昇相場の終わりと断言できるかは別問題で、単なるガス抜きのひと休みということになる可能性も頭に入れておかなければなりません。
早見は昨年12月の東京セミナーで、「上昇トレンドに変わりなければ、2025年の日経平均は4万4500円を目指す」という上値の目安を発表しました。今週は4万3800円台まで上昇してきたので、あと700円ほどまで近づいたところで調整安の流れになりました。
しかしこれも既に書いたように、日経平均の月足チャートを見ると、今月は6ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしてきました。前回は一昨年3月末に2万8041円でゴールデンクロスして、そこから昨年7月の高値4万2426円まで51%上昇しました。
しかもこのまま確定したとすると日経平均の月足は今月で5本連続陽線です。これは大いに注目すべきことです。というのも日経平均の月足連続陽線というのは4本までで止まるケースが非常に多く、2016年の底打ち以降10年近くの期間で見ても、2018年、19年、20~21年、23年と4回連続で4本陽線で止まっています。もし今月5本連続陽線で確定すると、2015年1月~5月の5本連続陽線以来10年ぶりのことになります。
ただ2015年の5本連続陽線というのは、それまでにずっと上げトレンドが続いてきた後に起きた形です。今回のように大きく下げた後の底値から5本連続陽線となると2012年8月から2013年4月にかけての9本連続陽線以来の形になります。この時はアベノミクス相場がスタートした第一段の上昇局面でした。さらにその前は、2009年3月から8月にかけての6本連続陽線であり、これはリーマンショックの暴落の大底から上昇に転じた場面です。そしてさらにその前は、小泉郵政改革相場の時に記録した2005年5月の底値から2006年1月にかけての9本連続陽線です。
つまり日経平均の月足が5本連続陽線になるというのは、ただならぬ気配を感じさせるものだということです。したがって急ピッチに上げれば反動安になるのは当然ですが、それで終わってしまうような上昇相場ではないということを意識する必要があります。ですから日経平均が4万4500円をつけにいくにしても、それが通過点になる可能性は十分にあります。そのあたりは9月6日(土)の東京セミナーで、また色々お話しできればと思っていますので、参考にしてください。
※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋ものになります。